・・・最近、物忘れが激しくて、自分の頭の記憶だけに頼っていると、すぐ忘れてしまって失敗するので、メモを取ったり、タイマーをセットしたりと、色々と工夫しないと若いころのように、日常生活が送れなくなってきた。
しかし、自分が小学校に上がる前、住んでいた家の間取りや道具類などは、割合、克明に覚えているものである。
また、幼児のころに、一年に数度しか行かなかった、両親の実家の家の様子などや、その頃の周りの景色なども、今の記憶力から考えると驚異的な、細かさで覚えている。
どうも頭の構造から云うと、今、日常使っている記憶のメカニズムと、子供のころのことを覚えている記憶のメカニズムが違うらしい。
そのことから考えると、人が生きていくに必要な日常の動作や言葉などは、すべて子供のころの記憶と同じメカニズムで記憶して、最低限、生きていくのに不自由しないのはそのためらしい。
そのような、記憶のメカニズムが出来上がっているのは人間の長い進化の過程の中で、発達してきたのだろうと思えるが、そう考えると、人間の頭は生きていくに都合よくできているものである。