突然の訃報に頭が白くなった。
15歳で出会ってから36年、3年間ラグビー部で一緒に汗を流した。
一日も練習を休まず黙々と努力する男だった。
献身的なプレーで仲間からの信頼が厚く、タックルでも常に体を張っていた。
いつでもフォローに走りボールのそばにはいるが、3年間トライを取ったことがない。それが口癖で、それがお前らしいなといつも皆で笑いあった。
高校を卒業して社会人になり、初任給で後輩にラグビーボールを贈ったと聞いたとき、お前らしいと思った。
自分がバイクに乗って大学に通っているときに、大きなカバンを背負って集金に歩いている姿を時折り見かけて何となく後ろめたさを感じた。
そのときからずっとお前は自分にとって大きな存在だった。
就職、結婚、子育て、新居、いつも自分の先を行く手本だった。
誰にでも優しく、誰からも信頼を集めるお前には敵わないと思った。
お前にみたいな優しい男になりたいと心から思ってきた。
書きながらたくさんのことが頭に浮かび、涙が流れる。
お前のことは忘れない。
骨になってもお前は俺の心の中で生き続ける。