いのちのたび博物館にある、スーと呼ばれる 「 ティラノサウルス 」
スーの顎にあいた穴
2009年、ハトに寄生するトリコモナスの古代菌種が、
ティラノサウルスの命を奪っていた可能性があると発表された。
この研究結果はシカゴ・フィールド自然史博物館の
ティラノサウルス「スー」の化石のあごの骨にあいた穴から判明した。
鳥類がトリコモナスに感染した場合、クチバシや消化管の炎症によって餌を飲み込むことや
呼吸が困難になることが報告されているが、
「スー」の場合も同じような症状で餓死した可能性を研究チームは示唆している。
この恐竜の骨格化石は、スーとして知られるほぼ完全なティラノサウルス・レックスのレプリカであるが、
この標本があるのはシカゴと 「 いのちのたび博物館 」 だけである。
原標本はアメリカのイリノイ州シカゴのフィールド博物館に展示されている(標本番号:FMNH PR2081)。
1990年8月12日、サウスダコタ州で非常に保存状態のよいティラノサウルスの全身骨格化石が発見された。
この標本は発見者のスーザン・ヘンドリクソン(Susan Hendrickson)にちなんで「スー(Sue)」と名付けられた。
しかし発掘者のピーター・ラーソン博士と地主とのあいだで所有権をめぐる裁判に発展、
FBIは強引な方法でピーター・ラーソン博士が保有していたスーの骨格を押収した。
その後国が一時保管した後、スーはオークションにより
日本円にして約10億円という高額で落札されたことでも話題を呼んだ。
ティラノサウルス(学名:genus Tyrannosaurus)は、
約6,850万- 約6,550万年前(中生代白亜紀末期マストリヒシアン)の北アメリカ大陸に生息していた肉食恐竜。
現在知られている限りで史上最大級の肉食恐竜の一つに数えられる。
恐竜時代の最末期を生物種として約300万年生きたが、白亜紀末の大量絶滅によって最期を迎えている。