伊計大橋の向こうに見える島森が伊計グスクである。
伊計大橋は、沖縄県うるま市にある宮城島と伊計島を結ぶ橋で、
伊計グスク、仲原遺跡、さらには伊計島灯台などの探訪で、
何度も渡った橋である。
伊計島は与勝半島からもっとも離れた場所にあるので、
イチハナリとも呼ばれている。
全長198mの鮮明な赤色が印象的なこの橋は、
1982年の完成以来、与勝半島周辺の名物として人々に親しまれている。
橋からは金武湾やヤンバルに連なる山々を一望でき、
鮮やかな赤色の橋は伊計ビーチともども伊計島のシンボル的存在である。
これは蛇足になるが、 「 伊計グスク 」 のことを書いておきたい。
伊計グスクは、 「 アタヘチクドン 」 という按司が居城としていたと伝えられている。
このグスクは、海に突き出た岩山を利用した独特の地形を利用したグスクであって、
主郭まではラセン状の道を登って行かなければならない。
グスクの入り口には虎口があり、
中央部には 「 伊計城之殿 」 と記された祠が建てられている。
石積みは主郭を取り囲むように築かれている。
伊計グスクにアタヘチクドンが城主で住んでいた頃、
宮城島の泊グスクと領域をめぐって事あるごとに争いを起こしていた。
そんなある日のこと、海から吹く風が強い日に、
アタヘチクドンは一計を案じ、家来どもに木灰を集めさせ、
集めた木灰を空高く撒き散らすように命令したのである。
空高く舞い上がった灰は風に乗り、宿敵の泊グスクへと流れて行った。
そんなことも知らない泊グスク城主の川端イッパーをはじめ家来たちは
目が開けられずに混乱しているところに、伊計軍が攻め立てた。
城主のイッパーは何とか逃れたものの、
城下のオクンノという場所で自害してしまった。