Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

グローバリズムの領域侵犯の危険

2004-12-10 | 歴史・時事


ドイツの製品テスト機関が創立40年を迎えた。この組織は、消費者保護を目的に中立的なテスターとして1964年に連邦議会で承認された。雑誌の発売等による自主生計は絶えず試みられたが未だ嘗て其の目標には到達していない。それどころか近年、公的資金の援助削減により広告収入による自立を求められたが、辛うじて緑の党の後押しで中立性を保つことが出来た。商品を自力で購買するなどの政策に経済的な困難が伴うことは容易に理解できる。

そうして今この組織は製品のテストから大きく踏み出して、製品の製造過程から発売までの生産者の社会的義務を査定していく方向にある。たとえば極東での繊維製品の製造過程の審査が挙げられる。綿花などの原材料生産時の自然環境への配慮から製造工程の公害、生産労働者の健康や労働条件にまで踏み込んでいく事になる。十分な資金の獲得のために他の欧州諸国の組織と連携する。この問題は此処十年ほどマスコミで頻繁に取り上げられるようになった。毛皮への非難が噴出し一般社会問題化したあたりがそもそも始まりであったのだろう。其の反面、社会的優良製品を推進する大手販売会社が現在経営危機に陥っていることでその優良商品の流通や需要が疑問視される。

消費者が生産者をそして遠くの生産環境までをコントロールすることが目標となる。政治学的に見ると、発展途上国へのソフト面での援助ということになるのだろう。特に西欧社会主義の学究分野ではこの思想は不変で根強い。この問題が政治のみならず文化の領域に大きく関わってくる。これはグローバリズムとローカリズムと云う欧州共同体の自らの課題でもある。
コメント (7)
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