Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

危険と背中合わせのスピリット

2011-08-22 | アウトドーア・環境
日曜日は想定外の天候だった。プファルツでは今年の最高気温が予約されていたのだが、その前に雷雨に降られた。お陰で、本年度初めての真夏日らしい状況は訪れなかった。土曜日に水分補強をし過ぎたので夜中には二時間おきに小用に起きたので寝不足気味だったが、朝から元気よくフランスへ向かったのであった。

国境を越えて向こう側は必ずしも涼しくは無いのだが、人口密度が低いだけでも涼しく感じる。特に岩場は態々ドイツから訪れる者が殆どであるので、アルザスの方が人里離れて涼をとるには好都合である。

車の冷房が寒いぐらいに日が翳り南ワイン街道でも大きな雨がばらついていた。国境を越えて最後の町を通り過ぎて、フランスの小さな湖のキャンプ地を過ぎて漸く岩頭の足元に着く頃には、湿った森を抜ける風が暑くは無かった。

それでも登り始めると、蒸し暑くうっすらと汗をかくかと思った矢先、雷が鳴り出して、近づいて一転空は暗くなるのだった。二本目を登って最後の小さなオヴァーハングを越えようとすると大粒の雨が降り出して、それでお開きとなった。

規模の小さいアルザスと南プファルツの相違は、何よりも打ち込みハーケンを打ってあるかどうかの違いで、同じ数字の難しさならフランスのグレードの方が一回り辛口なのだが、途中に支点が設置してあるかどうかで大分容易に近づける。

最近ザクセンに行った仲間は、そこのさらに極限まで追い詰めたクライミング領域を試してきた。同じ砂岩でも摩擦係数は高くしばしば靴も履かず、道具を使わずにロープの結び目を割れ目に引っ掛けるそのやり方も慣れれば結局同じように登れるようになったと語ったが、やはり厳しいことには変わりない。要するに登るところはそのままクライミングダウンできるだけの余裕が無いといけないということだった。

安全が保証されているスポーツではないのは当然であるが、極限までの挑戦をしようと思えばどうしてもある程度の安全が確保されていないとなかなか出来ないものである。

パイオニアワークとかスピリットとか呼ばれるものがそこにあるのだろうが、まさにそれは手の指先を押し付けて足がかりに体重を押し付けるようにじりじり攀じるような行為でしかないのである。



参照:
獅子のように強い心で 2011-07-08 | アウトドーア・環境
歯が立たないこともない 2011-06-26 | 生活
奇岩の上を散策する 2011-05-19 | アウトドーア・環境
重要な歴史的証言となる事件 2011-05-01 | 雑感
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