Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

胃袋がザウマーゲンに

2012-12-27 | 料理
クリスマス恒例の昼餐は栗入りザウマーゲンである。ワインは、イエズイーテンガルテンのグランクリュリースリングとなる。

今年は2009年産が飲み頃を迎えており、更に酸が弱いせい三年であるので飲み干しても惜しくない。可也贅沢な話であるが、ワインも寝かしておくだけが能ではない。見切りが出来るのも経験のなせる業だ。

既に書いたように2008年産はその判断が難しかったのだが、これも大体見切れることが出来た。そして大分その独特の酸の強い味を愉しませて貰ったがこれ以上こだわる必要も無かろう。

2007年産が最後の眠りに落ちたところで飲めるものは2009年ものしかないのである。2010年はやはり偉大な年になりそうで、まだまだ二三十年以上は話題に上ることだろう。こうなれば寝かせておくしか能が無い。2011年産の今とやかく言うものでもない。

そして2009年産は酸が弱いので一般受けする一方、リースリング愛好家には見下されていたが、意外なことに素晴らしく綺麗に気持ちよく熟成している。新鮮な鋭い酸もまだ活きていて、糖を落とし多分大成功しているのはフォン・ブール醸造所のイエズイーテンガルテンである。糖を絞りきっているので殆どレープホルツ醸造所のそれのようだが、浅浸けなので些か薄っぺらい反面その香味やミネラルは素晴らしい。これだけ太陽に恵まれた土壌のワインをここまでするとは天晴れだ。

やはり食事には甘みを徹底的に落としてミネラル風味を感じさせて、殆どミネラルウォーターのようなワインが旨い。残糖感が感じられるようでは敏感な食事の味が全く楽しめないのだ。ギフトとして貰ったカステル・ペーター醸造所の二つ星のウングシュタイナー・ヘーレンベルクのリースリングがその残糖感だけで料理ワインになってしまうにはそれだけの理由がある。

結局地所とその土壌の質がワインの出来上がりを殆ど決めてしまうのである。ガイスボェールよりもウンゲホイヤーよりもイエズイーテンガルテンの方が土地が軽いのは明らかなのだ。残糖感を残さないように健康な葡萄から辛口のグローセスゲヴェックスを醸造すればその差が明らかとなる。

料理は、付け合せのヴィルシンクがとても美味しく出来た。最初に痛めるときにあまり焦がさなかったので苦味が出なかったからで、少々加えた砂糖と料理ワインが綺麗な味にした。800グラムほどを一気に腹に収めると、自分の胃袋がザウマーゲンになったような気持ちになった。流石に夕食は抜きにしてゆっくり休んだ。



参照:
今年だけの薄切りの春 2012-04-18 | 料理
Hop, Step by Step & Jump 2011-12-27 | 文化一般
コメント (5)
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