日曜日の朝の森は摂氏七度しかなかった。峠にゆっくりと駆け上がる。この時期は、毎年かもしれないが、がたんと速度が落ちる。長袖長ズボンで、汗をかいて満足といった感じである。これを変えるには余程の動機付けが必要だ。今年は早くも葉が色着き出したが、足元は昨年のそれが片付いていて比較的足場が確りしている。森の美しい時期でもある。
いよいよ本年最後のCD落穂拾いである。四千枚近いCDを見たが、あまりこれといったものは見つからなかった。完全に市場が崩壊している。何とか息を繋いで貰いたい。ヒット商品には通常のディスカウント品以上に陳腐な商品が並んでいて、CD二ユーロまでの商品が多い。日本で有名なグルリットさんのゴヤ交響曲などゲテモノが並ぶ。
そこでディスカウント商品を丹念に探すと掘り出し物が見つかる。二枚組みのオペラ「アイーダ」は、パバロティーが歌っているロリン・マゼール盤を購入していたので、見過ごしていたクラウディオ・アバド指揮のものを試聴した。そして調べると、なんと「マクベス」や「ボッカネグラ」の名盤と同シリーズで、同じスタジオでただしこれはアナログではなくデジタル録音したものではないか。これは知らなかった。落穂拾いしているアナログからデジタル録音へと移り変わるところの制作で、買い逃しているものの一つである。
興味深くネットでの反応を読むと、プラシード・ドミンゴの歌うラダメスなどの配役の問題とは別に、あのデットなスタジオでの録音が災いしているような印象を受けた。それゆえに大成功したヴェルディ初期の名作と比較して後期の作品群ではどうもあまり強い賛辞を受けなかったようだ。そして試聴してみるとこれがとても面白い。明らかに特別な効果を狙っているのが分かる制作録音である。お陰で廉価版二枚組み9ユーロで入手可能だ。
そして何故か沢山ある一枚8ユーロ未満のオファーの中からリヒャルト・シュトラウス作曲「家庭交響曲」を選択してしまった。試聴するとヴィーナーフィルハーモニカーのサウンドが見事だったことが決めてとなったが、この曲は生で一度体験したことがあると記憶するが、手元に録音が無いのである。全く重要な曲ではないからなのだが、マゼール指揮の演奏で可也その管弦楽書法が手に取るように分かりそうなので興味を持った。
あとは六ユーロのCDで、エド・デワールト指揮サンフランシスコ交響楽団がつけたピアニストのコチッシュが弾くラフマニノフの協奏曲全集から二番と三番で、後者の録音を持っていないのでこれも資料にはなる。そして1984年の録音はこれまた興味深い時期なのである。
そしてもう一つの目玉は、レナード・バーンスタイン指揮のアイヴスの交響曲二番である。この曲はLPで持っているのだが、ズビン・メータ指揮ロスアンジェルス管弦楽団の演奏がもう一つなので、試聴してみると評判どおりよさそうだ。思いがけないほどニューヨークの管弦楽団との緻密な録音をしているようである。録音技術的にもこれまたクリアーなようで、嘗てのニューヨーク録音のがさがさした印象がない。
実際に手にとって鳴らしてみなければ分からないが、このご時世での落穂の質としてはまずまずではなかろうか。〆て自動車クラブの割引6ユーロを使って、デジタル制作録音CD五枚で25ユーロならば文句は無かろう。
参照:
音の鳴らし方、緊張と緩和 2012-05-03 | 音
二十世紀隠遁の美学の環境 2012-11-11 | 音
いよいよ本年最後のCD落穂拾いである。四千枚近いCDを見たが、あまりこれといったものは見つからなかった。完全に市場が崩壊している。何とか息を繋いで貰いたい。ヒット商品には通常のディスカウント品以上に陳腐な商品が並んでいて、CD二ユーロまでの商品が多い。日本で有名なグルリットさんのゴヤ交響曲などゲテモノが並ぶ。
そこでディスカウント商品を丹念に探すと掘り出し物が見つかる。二枚組みのオペラ「アイーダ」は、パバロティーが歌っているロリン・マゼール盤を購入していたので、見過ごしていたクラウディオ・アバド指揮のものを試聴した。そして調べると、なんと「マクベス」や「ボッカネグラ」の名盤と同シリーズで、同じスタジオでただしこれはアナログではなくデジタル録音したものではないか。これは知らなかった。落穂拾いしているアナログからデジタル録音へと移り変わるところの制作で、買い逃しているものの一つである。
興味深くネットでの反応を読むと、プラシード・ドミンゴの歌うラダメスなどの配役の問題とは別に、あのデットなスタジオでの録音が災いしているような印象を受けた。それゆえに大成功したヴェルディ初期の名作と比較して後期の作品群ではどうもあまり強い賛辞を受けなかったようだ。そして試聴してみるとこれがとても面白い。明らかに特別な効果を狙っているのが分かる制作録音である。お陰で廉価版二枚組み9ユーロで入手可能だ。
そして何故か沢山ある一枚8ユーロ未満のオファーの中からリヒャルト・シュトラウス作曲「家庭交響曲」を選択してしまった。試聴するとヴィーナーフィルハーモニカーのサウンドが見事だったことが決めてとなったが、この曲は生で一度体験したことがあると記憶するが、手元に録音が無いのである。全く重要な曲ではないからなのだが、マゼール指揮の演奏で可也その管弦楽書法が手に取るように分かりそうなので興味を持った。
あとは六ユーロのCDで、エド・デワールト指揮サンフランシスコ交響楽団がつけたピアニストのコチッシュが弾くラフマニノフの協奏曲全集から二番と三番で、後者の録音を持っていないのでこれも資料にはなる。そして1984年の録音はこれまた興味深い時期なのである。
そしてもう一つの目玉は、レナード・バーンスタイン指揮のアイヴスの交響曲二番である。この曲はLPで持っているのだが、ズビン・メータ指揮ロスアンジェルス管弦楽団の演奏がもう一つなので、試聴してみると評判どおりよさそうだ。思いがけないほどニューヨークの管弦楽団との緻密な録音をしているようである。録音技術的にもこれまたクリアーなようで、嘗てのニューヨーク録音のがさがさした印象がない。
実際に手にとって鳴らしてみなければ分からないが、このご時世での落穂の質としてはまずまずではなかろうか。〆て自動車クラブの割引6ユーロを使って、デジタル制作録音CD五枚で25ユーロならば文句は無かろう。
参照:
音の鳴らし方、緊張と緩和 2012-05-03 | 音
二十世紀隠遁の美学の環境 2012-11-11 | 音