Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

再び求道的な感じ

2019-09-08 | 
ブカレストからの中継を二日続けて聴いた。二日目はカメラが入っていて生ストリーミングに司会までついていた。お目当てはユリア・フィッシャーのブラームスである。ユロスキーの協奏曲の合わせ方はペトレンコのように「鳴くなら鳴けよホトトギス」では無くて、「鳴くように鳴きましょうホトトギス」ととても食い込む。あれだけ食い込んで今までやってきているのが大したものだと思うが、一寸類稀な技能ではないかと思う。歌手に対してもそうならばテムピさえ定まればどのようにでも合わせて音楽を作れるという事になりそうだ。

勿論フィッシャーもそれに応える以上の名演で、この女流がここまで来たのに驚いた。ペトレンコとはドッペルコンツェルトだったから、そこまでは自分の音楽も出来ていなかったと思うが、ユロスキーがあそこまで合わせて盛り上げて呉れれば大喜びだったのは当然だ。貰った花束もオーボエの女性に渡したのはそれだけディアローグをしていたという事で、そもそも指揮者がそれだけ合わせていなければ奏者がそこまで合せられない。

フィッシャーもお産後にダイエットしたのか、痩せて若々しい顔になって、求道的な感じが再び出てきている。楽器はグゥダニーニであるがこれまた昔クレメルが弾いていたようなのとはまた違い状態がいいのか驚くほど鳴る。アルテオパーでバッハリサイタルを聴いた時にはこれほど鳴っていなかった。恐らく今この曲を弾かせたら一番巧いのではなかろうか。



参照:
若手女教授の老人へのマカーブル 2010-03-19 | 音
女手で披露する音楽文化 2013-05-18 | 女

コメント
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