Pink * Satin * Pointe * Shoes

なんとなく、すきなこと

映画「十三人の刺客」

2010-10-09 23:40:39 | エンターテインメント
↓基本的にネタバレです。



かなり期待して観たこの映画、感想を一言で言うならば、

「惜しい」

かなぁ。

すごい評価してるんだけど、だからこそ残念な部分が色々と目に付くのかも。
一番売りになっていたラスト50分の壮絶な死闘っていうのが、一番残念だったりもするのが余計に残念なところ。

「半分でいいよぅ」

って、死闘開始から15分を過ぎたあたりにはそう思い始めてました。
だって、やっぱり、あの長さはリアリティが無さすぎます。
いくらなんでももっと早くにくたばるはずだし、見てて飽きてくるし。

「バイオハザード4」は「スピード感を出そうと思って必要なところもカットしちゃったんじゃない?」って感じだったけど、こちらは「これから編集ですか?」って感じでした。
いっぱいやっつけた・・・と思ったら、また新たな侍たちが湧いてきて、またいっぱいやっつけた・・・と思ったら、またまた新たな侍たちが湧いてくる。
途中からは血と泥まみれで誰が誰だか判別がつきにくくなってくるし、「さっき見たよ」って感じの絵が何度も出てくるし。
200人以上いるぞって言ってたけど、500人ぐらいいたんじゃないかって思うぐらいお腹いっぱい感がありました。

あと、木賀小弥太の存在は、はっきり言っていらなかったんじゃないかと。
あそこまでの不死身設定とか、庄屋さんとのシーンとか、ある意味ぶち壊してます。
キャラそのものは面白かったんだけどね。

手足を切られた娘のシーンも、彼女の家族が惨殺されるシーンとか、その前に牧野家の悲劇とかも出て来るんだし、わざわざCG使って視覚に訴えずとも、台詞や他の人物の表情や気の利いたショットで片付けるだけで十分だったと思います。
Too muchでした。

牛もToo much。

それから、冒頭の間宮図書の壮絶な切腹を見た後での牧野靭負の切腹がちっとも痛そうじゃなかったり、島田新六郎役が別の役者さんだったら個人的には良かったんだけどなぁって呟いてみる。(ファンの方すみません。ちょと苦手なので)

それからそれから、「最後は、仲間をすべて失った島田新左衛門は、もう一歩というところで死んでしまうんだけど、鬼頭半兵衛が最後の最後で殿を殺しちゃう」ってオチのほうが良かったように思ったのは私だけ?





・・・とはいえ、役所さんはさすがに上手いし、イカレた奴を演じさせたら日本一のゴロちゃんも超ハマッてたし、ちょっと見得の切り方がいかにもではあったけどさすがベテランの松方さんは格好良かったし、福本先生もいらっしゃったし、蝋燭の明かりだけだから暗~い夜のシーンとか衣装を始めとする普段の時代劇に無いリアルな演出とか、時代劇はあまり経験無いだろうけど渋くて存在感のある市村さんとか、基本的にはあんまり好みじゃなかったんだけど見直した内村さんのワンシーンとか、基本的には、ここ数年で見た邦画の中ではかなり良い線いってます。


だからこそ、惜しい。




ところで、三橋軍次郎と平山九十郎について。

三橋軍次郎は普段バラエティに出てる中の人のイメージが強すぎて(こういうとき、俳優さんは仕事を選ぶ必要があるとちょと思う)、最後までなんか違和感を感じてました。
平山九十郎については、井原さんは好きなんだけど、カッコよさが違和感。
なんか、彼だけまるで時代劇の主人公みたいで浮いていたというか。




というわけで、冒頭から死闘開始15分ぐらいまでに点数をつけるなら90点。
その残りは70点。
足して割って80点ってところでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする