人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

心配しても始まらない・・・アメリカのデフォルト

2013-10-03 09:58:00 | 時事/金融危機
 

アメリカは米国債の債務上限引き上げで議会が紛糾し、政府機関が一部閉鎖に追い込まれています。10月18日までに決着しなければ米国債がデフォルトしますが、市場関係者で本気でデフォルトを心配している人は皆無でしょう。

ティーパーティー派の議員とて、デフォルトが世界経済の崩壊の引き金になる事は充分に承知しています。彼らはオバマにピストルを突きつけていますが、オバマの手には手榴弾が握られているという構図です。

まあ、これで引き金を引いたら、自爆の道連れ確定ですから、共和党は決してピストルの引き金を引く事は出来ません。最後は適当な所で折り合いますが、米国債デフォルトの影響が大きければ大きい程、オバマが有利なことに変りありません。

最後はオバマが共和党にある程度花を持たせる形で決着すると、誰もが想像しています。

結局デフォルトリスクは限りなくゼロに等しく、仮にデフォルトした場合は、不可抗力では無く人為的にデフォルトが選択された事になります。こういった自爆テロは予測不可能で回避する事は不可能です。

ではデフォルトリスクはゼロかと言うと・・・・・・・・オバマが悪魔で無い限りは・・・ゼロなのでしょう。



居酒屋からアジアと日本の未来を占う・・・東京ボーダーレス

2013-10-03 06:18:00 | 時事/金融危機
 

■ 日本語が通じない!? ■

昔の知り合い達と会う機会があり新宿の居酒屋チェーンへ行きました。
若い人も多いので、安い店がチョイスされました。店の看板に270円って大書きしてあるチェーンです。

店内に入ってビックリ。フロアの店員はほぼ外国人。それも、日本語のコミュニケーションが出来ない方ばかり。

予約の確認で一苦労して、セットメニューの確認でも要領を得ない会話。
尤も、注文は液晶画面のタブレットみたいなので行うので、間違いはありません。

■ 安すぎて怖い・・・ ■

3000円で2時間飲み放題。
これでどんな料理が出るのかと思ったら、結構な品数と量にビックリ。

枝豆、フライドポテトと鳥の空揚げ、チゲ鍋、生ハム、寿司、たこ焼き、デザート。

途中、ドーンと生肉が出てきて、「オイオイ、肉を生で食うのかよ・・・」と思ったら生ハムでした。でも、どうも生肉にハムの匂いが付いているだけみたいで、誰もハシを付けません。なまじ値段が安いので、ついつい「もしもの事」を考えてしまいます。

結局、女性も多かった事もあり、結構な量を残してしまいました・・・。(呑んべいが多い事もありましたが・・)

■ デフレ脱却と言うけれど・・・ ■

安倍政権はデフレ脱却と言うけれど、こりゃ、デフレも進行すると妙に納得してしまいました。

若い人の所得は下がる一方なので、居酒屋も安くなければ客が来ません。料理も質より量で勝負。食材は全部輸入でしょう。人件費は外国人を雇用して安く抑えます。

こうして、日本の食糧生産者や労働者の仕事が減って行きます。ユニクロ型デフレの典型とも言えます。

■ 単純な雇用から締め出される日本人 ■

本来、接客業は日本語が出来なければ勤まりませんが、電子化の発達で、フロアーの店員は単なる「運び屋」と化しているので、日本語のスキルもあまり必要ありません。多分、時給が安いので、こういう所では日本人の若者は働かないでしょう。

同様に都内のコンビニのレジも、かなりの確率でアジア人が働いています。

日本の若者は仕事が無いと言いますが、仕事は沢山ありますが、賃金が低下し過ぎてしまって、日本人がそういう所で働きたがらないというのが実情でしょう。

生産の現場でも、外国人の雇用が増えています。自動車の工場でのブラジル人採用は有名です。

■ 事実上の「移民」が始まっている ■

日本の単純労働が外国人に置き換わって行く一方で、日本人も果敢にアジアに乗り出しています。

昨日、飲んだ仲間の一人は、本格的に中国に居を構えて仕事をしています。建築のデザイン関係の仕事ですが、「仕事ならいくらでもある」と言っていました。ただ、設計料が安いので、数をこなさなければならず、日本に住んでいては仕事にならない・・・。

建築関係のデザイナーの若者達は、中国やシンガポールに活動の拠点を移し始めています。日本では仕事がほとんど無いからです。

生産設備や、国家資格を必要としない分野では、国境を越えた雇用の流動性が既に大分進んでいます。事実上の「移民」が始まっているとも言えます。

■ 日本やアメリカの賃金はまだまだ下がる ■

安倍政権は「賃金を上げる」事を目標としていますが、一部の上場企業の正社員の給与は上がるかもしれませんが、その他大勢の日本人の賃金は世界標準に向けて下降し続けます。

これは日本に限った事では無く、アメリカでも同様に賃金の低下が著しく、企業の高収益は賃金の低下によって生み出されています。

アメリカは失業率が改善していると言われていますが、平均賃金が低下しているので消費は低迷したままです。特にウォールマートの様な、中間層を対象にしたビジネスは中間層の貧困化によってパイが縮小しています。

■ TPPによってこじ開けられる日本の労働市場 ■

日本の少子高齢化の進行は「確定事項」です。今から10年後の労働人口を増やす事は、タイムマシーンでも無ければ不可能です。

福祉や医療の費用が増え続け、それを支える現役の労働者が減少するのですから、日本の経済成長には強いブレーキが掛かるのは当然と言えます。これを回避する手立ては国内には残されていません。

後は「移民」や「労働力の輸入」に頼る他無い事は、誰もが理解していますし、官僚達には当然の事と考えられているでしょう。しかし、単民族国家である日本にとって「移民政策」は抵抗感が根強く、これを法案として国会を通す事は先ず不可能でしょう。

そこで、TPPが威力を発揮します。アジアの国々は当然日本の労働市場の開放を要求してきます。TPPに加盟すれば、これを阻む事は困難です。こうして「外圧」によって日本の「労働市場の開放」は達成されるのでしょう。EU加盟国間では、労働力は自由に国境を越えて行き来しています。

私達はこれからの時代、優秀なアジアの人材と「割りの良い仕事」を奪い合う事になり、あるいは「賃金の安い仕事」から締め出されて行くのでしょう。

尤も、今後日本の労働人口は減り続け、その中に優秀な人材は一定割合しか居ませんから、企業も当然、優秀な人材を確保する為にアジア人に門戸を開かざるを得ません。

現在でも英語と日本語と母国語を話せて書けるアジア人は、企業の引く手あまたとなっています。

企業にお勤めの方には「ピン」と来ない事かも知れませんが、フリーで仕事をする私達は、既に仕事は国境を越えてボーダレス化しており、アジアと日本の垣根はどんどん無くなっています。

あと10歳若かったら、日本を離れて成長著しいアジアで働いてみたいと思う今日この頃です。