■ 昨年末辺りから流布され始めた「円高」 ■
FRBが利上げすれば本来はドル高円安になりはずですが、昨年末当りからアナリスト達は盛んに「円高」を予測していました。
1)FRBの利上げを見越してドルは既に買われ過ぎた
2)実質実効為替レートからは現在の円安は行き過ぎている
以上の2点を理由に「ドル安円高」が2016年のトレンドになると予測していました。確かに異次元緩和以降の円安は行き過ぎた感は有りました。
■ グランドローテーション ■
リーマンショック以降しばし使われた「グランドローテーション」という言葉。緩和マネーが過剰な流動性を生む中で、リーマンショックの後遺症が発生する度に「リスクオフ」と称して債券が買われ株や資源が売られました。又、逆に危機が遠のくと「リスクオン」と称して債券が売られ、株や資源が買われました。
現在のドル安円高は「為替市場のグランドローテーション」の長期的なウネリなのかも知れません。
1)2009年、リーマンショック後にドル、そして円が買われ円高が進行する
2)ユーロ危機が注目されさらにドル高・円高が進む
3)2012年、ユーロ危機の収束と異次元緩和のスタートにより急激に円安が進む
4)FRBの利上げ予測でドル高円安がさらに進行する
5)2016年に入ってドルが下落に転じる
ドルはリーマンショック直後一貫して上昇していましたから、そろそろ下落に転じるというのは為替市場の長期的な周期としてはある程度予測できるのかも知れません。
問題はこの為替の長周期にシンクロする形で、株式や債券などの投資が成されている点です。
1)円安が進行する間は外資は日本の資産を一貫して買う
2)円高が進行する間は外資は日本の資産を一貫して売る
要は、現在は「日本売り」のフェーズに入っている訳です。
■ 「日本売り」の邪魔をさせない通貨マフィア ■
アメリカのルー財務長官やIMFのラガルド専務理事が「自国通貨安政策」を牽制する発言を続けていすが、「日本」を引き合いに出すなど、明らかに日本政府や日銀の為替介入を牽制しています。
表面的には「為替市場のルールを守れ」と当たり前の事を言っていますが、その真意は「日本売りを邪魔するな」という事。
日銀は通貨マフィアの一員ですが、黒田総裁は財務省出身なので信用がイマイチ?そして安倍首相はアメリカには逆らいませんが、人気取りに走り易いのでチョット心配。
とにかく、「外資がGPIFや日銀、ゆうちょ、かんぽの資金を毟り取っている間は余計な事はするなよ!!」と恫喝している訳です。
とまあ、陰謀論者にはそう聞こえてしまうアメリカやIMFの最近の発言でした。