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「1・3・5・7・10 の世界」・・・生存戦略

2019-06-15 04:21:00 | 時事/金融危機
 

■ 「1・3・5・7・10」 で出来ている世界 ■

50余年生きて来た私の持論は、「世界は1・3・5.7・10で出来ている」というもの。



例えば会社を例に取れば、こんな感じでしょう。

10%・・・・・・・経営者、或いは上級の管理職

10~30%・・・・会社に利益を生み出している人

50~30%・・・・普通に働いている人

70~50%・・・ 仕事のスキルが足りず、会社に負担を掛けている人

100~70%・・ 会社に入れない人



或いは、満足して仕事をしているかの分類でいえば・・・

10%・・・・・・・自分の目指す分野で成功している人

10~30%・・・・自分の目指す分野で仕事が出来ている人

50~30%・・・・とりあえず生活に困らない所得が得られる人

70~50%・・・ 仕事をツマラナイと感じ、所得的にも不満な人

100~70%・・ 仕事が不安定で、所得も足りない人



上位10%の中でも本当に成功して有名人になる人は、その内の10%にも満たないでしょう。全体では1%よりもずっと少ない人が「名前が世に出る」レベルの人。


私はこの「1・3・5・7・10」の法則を我が子が小学生の頃から言い聞かせています。「10%を目指して30%の中に居れば人生幸せ」だと。


■ 普通にしていたのでは「3」の中に入れない ■

普通に勉強して、そこそこの学校に行って、そこそこの企業に入ったのでは「5」のカテゴリーには入れますが「3」のカテゴリーには入れない。

「3」に達するには、「努力」と「戦略」は当然として、何よりも「適性」が重要。


「好きな事でしか成功しない」「嫌いな事で成功する訳が無い」

我が家の子供達はお世辞にも学力が優秀では無かった。だから、進学塾に通わせても「先が知れている」。

息子には高校受験の時に、「受験なんて止めて、寿司屋に修行に行きなよ」って良く言っていた。冗談では無い、本気だ。

中学を卒長して寿司職人の修行に入れば、本人に根性さえあれば、それなりの寿司職人にれる事は約束されたも同然。(器用だとか、根性があるとか、会話が上手とかの適正は必要だが)

しかし、中学3年の息子にそれを理解しろと言うのは無理だ。彼は普通に中堅の県立高校に進学た。

高校で息子は「軽音部に入りたい」と言い出した。「お前、中学からやってるバスケ部にな入らないと授業料払わないぞ」と脅し、バスケ部に入部させた。結局、バスケ部では気の合う友人も多く出来、息子はこの事に関しては私に感謝している。

息子は、勉強は嫌いだが、ファッションには興味が在り、そこそこに何を着てもカッコよかった。どうやら、その手のキラキラ系の職業に付きたい様なので、美容師はどうかと薦めてみた。

「中国には古来から子供には3つの刃物を持たせろと言うらしいよ。一つ目は包丁、二つ目は庭師のハサミ、三つ目は床屋のハサミ。これの何れかが使えれば、取り合えずは食べるに困らないんだって」

高3になると、息子は近所の美容院に飛び込みでバイトの面接に行った。どうやら店長気に入られたらしく、アシスタントの下働きをさせてもらった。店員さん達にも仲良くして頂いて、アシスタントのトレーニングに夜中まで付き合った後、彼らの寮に明け方まで入り浸っていた。その内に、店長がアシスタントと一緒ににシャンプーのトレーニングさせる様になった。

そんな息子なので、当然、美容師の専門学校を選んだが、私は「1・3・5・7・10」の話をして、10%を目指してガンバレと励ました。

息子は手先が器用で、センスも悪くは無かったので、卒業後は都内の有名美容室に入る事が出来たが、ブラックで有名な業界だけに7人居た同期は、1年後には息子一人になっていた。息子と話をすると「給料は安いけど、仕事は楽しいし、ヤリガイもある。」と話す。


そんな彼も、アシスタントを卒業して3年になり、最近では業界誌の取材などで忙しいくしている。とりあえず、同年代の中では10%に入っているのではないだろうか・・。彼はマメにインスタにお客さんの写真をアップして、休みの日には様々な展示会などを回って感性を磨いている。

「ヤリガイ」や「夢」を搾取する業界故に、これから壁にもぶつかるであろうが、とりあえず「3」の中に入っていれば、業界に残って生きる事には困らないだろう。

この様に「3」の中に入るには「勉強が出来る」という事は必須では無い。

1) 適性がある
2) 夢がある
3) 努力と工夫をする



多くの家庭では「とりあえず大学だけは出てないと」と言って子供を育てていると思うが、私は「頼むから大学にだけは行かないでくれ」と言って育てた。勉学に興味(適性)が無い息子が、勉強で身が立つとは到底思えなかったからだ。


私は子供を育てる上で親の「戦略」は非常に重要だと考えている。子供の適正を見付け、それを伸ばす様に育てるのは親の責務だと。

そして、我が家に子供の自由など無い。当然、子供は反発するが、人生経験の少ない彼らの自由にさせたら、ロクな結果にならない。ただ、「勉強しろ」とは強制はしない。彼らの「好きになりそうな事」を強制すれば、後に子供達に感謝されるのだ。


■ 戦略的には失敗したが結果オーライのケースもある ■

娘も勉強が苦手だった。中学までは学力がバラバラな集団だから、色々と触発もされるが、高校は基本的に同程度の知能の子供の集団だ。これは問題が多い。

そこで、娘の進学に際しては「裏ワザ」を使ってみた。

近所の高校は学力優秀で、さらに自主独立の自由な高校だった。そして、そこには「園芸科」という学科が在る。こちらは、学力優秀で無くとも入学可能だ。そこで、「これからの農業とその未来」といった内容の手紙を娘に持たせ、願書の変更を学校に願い出た。当然、先生は当惑された・・・。

実際に私は日本の農業に伸びしろがあると考えていたし、園芸科で上位に居れば農業系の大学の推薦が貰えるという下心もあった。

さらには、近郊農家の子弟が通う高校だから、「玉の輿」も在り得る・・・そんな下心も無くは無かった・・・。


娘も「軽音部に入りたいな」と言って来た。「小学校からバスケやってるだから、バスケ部じゃないと授業料を払わない」と言って強引にバスケ部に入れた。


娘は部活の仲間と大変気が合った。先輩にも顧問の先生にも大変可愛がられた(オバカなので)。何よりも、学力優秀の普通科の生徒と触れ合う事で、色々と触発される事も多かった。・・・普通科に交じって、一人きりの園芸科なのに、何故か大きな顔をしていた。申し訳無いので、たまに娘のチームメイトを我が家に誘って、メシを腹いっぱいに食べさせた。餌付けの効果で、卒業後も彼らは食事にやって来る。(これは嬉しい)

園芸科はユニークな仲間が多かったので、こちらも楽しかった。芋虫も素手で捕まえて足で踏み潰すし、大量のトマトやダイコンを作って近所の人に販売したり、中学の先生に届けたりしていた。

しかし、農業系の仕事を娘が選ぶ事は無かった。推薦枠も、実はそれを狙って園芸科を選んだ優秀な生徒が何人か居た・・・。食べる事が好きな娘は「管理栄養士」に成りたいなどと言い出した・・・。

「イヤイヤ、給食のオバサンって成るの凄く難しいし、そもそも管理栄養士ってバカでは合格しないから。調理師の学校に行って包丁の技を磨いてくれ」と、ここでも「3本の刃物」の話をして説得に掛かったが・・娘は頑固だ。ここで、私の「戦略」は失敗したかに思えた。

ところが、進路決定の間際にななって「看護師になる」と言い出した。家内が助産師である影響だろう。・・・・しかし、園芸科の娘が推薦で合格する看護大学を捜すのは難しい。


「〇〇に看護大学があった。有名な大きな病院の経営だから、就職にも困らないし、何より小さな病院よりもスキルを磨ける。」と娘に進めた。・・・娘が田舎でアパート暮らしをすれば、私が自転車で行った時にシャワーを浴びれるし、泊まる事だって出来るからだ・・・。

私は都内の看護大学を受ける間は勉強の邪魔をし、娘は地方の学校に通う事になった。ここでも、子供の自由は我が家には存在しない・・・。

入学後、娘は近所の旅館に飛び込みでバイトの申し込みに行った。学校が終わると、旅館で夜11時頃まで働いた。「お父さん、私、生け簀のイセエビを素手で捕まえられる様になったよ」とか「おかみさんが、梅酒の漬け方教えてくれた」とか「客室にゴキブリが出たら私がヤッツケル役目だよ。シューって一噴き」・・・親元を離れても、周囲の大人が子供の成長を助けてくれる。

こうして、娘もどうにか、この春から看護師になり、お世話になった地方都市に恩返しを始めた・・・。

「園芸科から農家の玉の輿」という戦略には失敗したが、結果オーライである。(ちなみに息子彼女は、何故か近郊農家の一人娘である。)


■ 「1・3・5・7・10」の話は何処に行ったの? ■

ところで、読者諸氏は「1・3・5・7・10」の話は何処に行ったのかと疑問に思われているであろう。実は私も今思い出した・・・。

結論を言おう。

「3」に入っていれば人生、そこそこ幸せ。ただ「3」に入る為には、子供の頃からの「戦略」と「適性」が不可欠で、そこにこそ「親の責任」が在るのだと。


勉強が嫌いな子弟をお持ちでお悩みの方も多いと思う。そんなあなたは、「大学ぐらい出ていないと」という思い込みを捨てて、お子さんをじっくり観察されては如何だろうか。何か「裏ワザ」を思い付くかも知れない・・・。


尤も、我が子達が「3」に居られるかは、彼らの不断の「努力」と「戦略」で決まる。これだけは親にもどうにも出来ない。


「1・3・5・7・10」の世界は、仮にMMTが実現しても変わる事は無い。


ところで、自分はどうかと言えば・・・・多くを望まなければ人間はいつでも「1」に居られる事を実践している・・・。個人事業主だから、気分は「社長」だ。