年末で多忙な為、ブログ更新が滞っていました。
「桜を見る会」問題は、予想通り「モリカケ化」して、安倍政権にプレーッシャーを掛けただけで退陣問題にまでは発展しないでしょう。「あ・・・やっぱり」という感じ。
野党が本気ならば、ジャパンライフなんて問題より、「けちって火炎瓶」問題を追及すハズですから、元から与野党の国会プロレスなんです。
■ 日欧の金融政策の変化 ■
米中貿易交渉の第一ラウンドが決まりそうで市場は楽観ムード。株価も上昇しています。この様な短期の値動きには全く興味が無いので、日欧の金融政策の空気の変化について見てみます。
ECBはドラギ総裁が退任となり、IMF専務理事だったラガルド氏が次期総裁となります。ECBの金融政策の中心はマイナス金利でしたが、ラガルドが総裁となる事で、マイナス金利の深堀はそろそろ終了すると見られています。
日銀は量的緩和を継続していますが、緩和規模を縮小しつつあり、軸足はイールドカーブコントロールに移っています。短期金利はゼロからマイナス、長期金利はややプラスとする事で、国債発行金利を抑制しながらも、金融機関に過度な損失が出ない微妙な舵取りを続けています。
一足先に出口戦略で金利を上げ始めたFRBに対して、出口が見えない日欧の中央銀行でしたが、徐々に緩和レベルを縮小している事には注意が必要です。
■ 米国債金利を見れば、現在の金利水準が低すぎる事が一目瞭然 ■
上のグラフは米国債金利のグラフ(5年間)ですが、2019年8月のFRBの利下げ発表により、下がり続けていた金利が反転します。
これ、安全資産の米国債に逃避していた資金が、リスク市場に戻った事を意味します。それ以降、株価がコンスタントに上昇し、ジャンク債市場やCLO市場も復活しています。
ここをバブルのスタートを見る人達も居るでしょう。バブルはだいたい2年程継続しますから、楽観的な人達は、「後2年は大丈夫」と考えているはず。
しかし、私は各中央銀行の金融政策の潮目が変わった事に注目するならば、バブルは既に崩壊しつつあると予想します。実際に米国債金利を観ても、金利水準は非常に低く、投資家達は過剰なリスクを取らなければ、まともな金利が得られない状況が続いていました。
■ 八方塞がりの中央銀行 ■
ECBや日銀はマイナス金利の限界に到達していますから、これ以上の深堀は出来ません。黒田総裁も口先だけは「追加緩和も有り得る」と市場をなだめていますが、緩和拡大が金利の低下を招くので、これ以上、市場のリスクを増やしたく無いでしょう。
FRBも同様に、利下げカードを何回も切れない。こちらも市場の過熱を警戒しています。
要は、リスクがパンパンに膨らんだ状態で、中央銀行に緩和余地は程んど残っていません。
■ 永遠のバブルは存在しない ■
中央銀行がマネタリズム的な政策を取る様になってから、世界は約10年周期でバブルの崩壊を経験しています。グリーンスパンは「バブルは予測出来ない」と投げやりな発言をしていましたが、「バブル崩壊のタイミングは予測出来ない」と言い直した方が良い。金融緩和を開始して10年経てば、経験的には「バブル」は発生しているのだから。
「バブル」を永遠に継続出来れば良いと誰もが考えますが、実体経済と市場価格の乖離は、どこかで必ず是正されます。「中央銀行が無限の緩和拡大をすれば良い」と言う人も居ますが、これはバブルを拡大するだけで、崩壊のエネルギーを増やすので危険です。
中央銀行もこの事は理解していますから、徐々に緩和を縮小してソフトランディングを目指します。しかし、バブル化した市場にはソフトランディングは存在しません。何故なら「バブルが弾けた」と認識された瞬間に、我先にリスクを切り捨てなければ大損する事を、市場参加者の全てが知っているから。
投資家は「まだバブルじゃない」と日々自己暗示を掛けて利益拡大を狙っていますが、心の底では「そろそろ」という不安が拡大しています。何かを切っ掛けに、多くの投資家が「そろそろ」を確信した時、バブルは崩壊します。
中央銀行は「〇〇市場の拡大には注意が必要」的なコメントを出してバブルを牽制しますが、過剰流動性が発生している状況では焼け石に水です。かと言って「そろそろバブルが弾ける」などとは口が裂けても言えません。