圧倒的に面白い。寺山修司世界をものの見事に自家薬籠中にしてしまった佐藤さんのこの作品は、こんなにもシンプルなのに、どうしてこんなにも豊穣な世界を表現可能としたのか。
寺山の最期の作品となった『レミング』(写真は天井桟敷のフライヤー)を、佐藤さんはあくまでも自分のイメージ世界に引き寄せていくことで、スタイリッシュでモダンな作品に仕立ててしまう。だから、こんなにも美しい舞台になっている。
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大雨から河川が増水し、避難のために村のコミュニティーセンターに集まった人々の人間模様を描く。過疎化が進み村には若い人たちはもうほとんど残っていない。たった3組しかいない20代がここに集う。沢北と西山。新しく引っ越してきた江東夫妻。そして、彼らより少し若い南条とその妻。(江東の夫と南条の妻は舞台には出てこないから、登場人物は4人。)
ドラマの中心となる部分が西山美和の『ゆれる』を思わせる設定。 . . . 本文を読む