リーディング3本、芝居2本の5本の短編集。70分。このくらいの上演時間がとても見やすい。2プロに分けた9本(1本のみが重なる)を一気に上演しても2時間くらいになるはずだが、それをしないという姿勢がいい。長さとしては見れない時間ではない。2時間くらいの芝居はいくらでもある。なのにこの発表会では、そうしない。観客に無理させないで、心地よく見てもらおうという意図であろう。
内容面でも、軽くもなく、 . . . 本文を読む
『ひとり日和』は、20歳の女性が、一人暮らしの老人のもとに身を寄せて、共に暮らす1年のお話。母の仕事の都合で、一人ぼっちになった知寿は、遠い親戚の吟子という71歳の老婆のところにやって来た。大学に行くでもなく、ただなんとなくフリーターとして生きている彼女は、将来に対する漠然とした不安を抱えて生きているはずだが、そんなことおくびにも出さない。まだ若いから、ではない。若いとか、老いているとかいう問題 . . . 本文を読む