「おもしれぇ」と阿部ちゃんが映画の中で10回以上つぶやく。面白ければそれだけでいい。堤幸彦本人もそう思ってる。ただひたすら面白いものを求めてる。ふざけてるのではなく、真剣にバカをしているのだ。とてつもなく大バカで、あほらしさ満載の映画である。
この映画には何ひとつ意味はない。それのどこが悪い、と居直ってる。ただひたすら監督以下スタッフも、阿部ちゃん以下キャストも全力バカで1時間50分を駆け抜け . . . 本文を読む
フライヤーには恋愛物とあったが、これは老人の日々を綴った作品。もちろん演出の小嶋一郎流の<恋愛物>として、この題材が取り上げてあるのだろう。老いた女性の心の中にある一途な想いが、この作品の底には流れている。これはその微かな声に耳を澄ませるためのお芝居である。
記憶を喪っていくこと。そんな中で生きていくこと。彼女は決してひとりではない。いつもエイコが傍にいる。彼女の孫娘である。彼女の傍にいて世 . . . 本文を読む