これは『鴨川ホルモー』のスピン・オフである。この6つの短編集はあの長編の周囲で起きていた出来事をフォーローする。短編連作はあの小説と連動し、あの小説のファンたちを大喜びさせたことであろう。しかも、これはこれでとてもすてきな小説だし。
大好きな作品に続編なんか要らないと思う。だって大好きな作品はそれだけで完全に世界を形作るからだ。小説でも映画でも、それは同じことだ。だから、好きな作品は何度でも . . . 本文を読む
ラッセル・クロウとベン・アフレック主演のサスペンス大作である。2時間7分の大作で、「最初から最後まで息もつかせない」ということらしい。まぁ、嘘ではない。なかなか緊張感のある映画だ。悪くはない。だが、なんかテンポはいまいちで、ラストのどんでん返しなんか、つまらない。あれではそこまでのお話を反故にしてるんではないか。
ネタばれになるから書けないが、僕はがっかりした。まだなんかあるな、とは思ったし . . . 本文を読む
これには参った。いくらなんでもこんなにも荒唐無稽をひたすら続けられると、体力が持たない。200ページくらいの中編小説ならいざ知らずこれはあまりに長すぎる。殺人事件なんて書いてあるから、推理小説か、と思うだろうが、実際はそうではない。これは謎解きとは言わない。
最初は一体何が始まるのか、ドキドキした。天皇陛下が船の外で艦にしがみついている、なんてシュールなイメージには笑わされたが、無茶がどこま . . . 本文を読む
今回のダンスの時間はなんだか乗り切れない。セレクトの問題ではなく、ダンスというもののレンジの広さにただ戸惑っただけなのかも知れないが。開演前に中西理さんと少しお話した。「ダンスは芝居と違い何を見ても腹が立たない」とおっしゃる。僕は腹が立つなんてことより、取り付く島がないことが怖い。見ていて何も感じない時がある。それはそのダンサーに問題があるのではなく、明らかに僕の姿勢の問題ではないか、と思うこと . . . 本文を読む