椎名さんがじいじいになった!それは当たり前のことなのになんだか驚きだ。孫と電話で話しながら、じいじいはね、なんて自分から話すなんて想像しただけで不思議な気分だ。というか、想像ではなく、そんな状況がこの本のなかでは描かれている。あの『岳物語』から25年が経つらしい。そりゃぁ岳だって大人になり、結婚し、子供を育てることだろう。結果的に椎名さんはおじいちゃんになる。
昔、映画を撮っていた頃、なんて . . . 本文を読む
『おっぱいバレー』はいろいろ問題もあろうが、傑作だと思う。少なくとも僕は好きな映画だ。昨年綾瀬はるかはワーナー映画に2本主演している。そして、さらに今回、この『おっぱいバレー』もワーナー映画である。なぜだ?ワーナーは綾瀬と専属契約でも結んだのか?3本とも全然ヒットしていないのに、かなりの制作費もかかっているのに、なぜ?大体ここまで短期間に連続で彼女の映画を作るのはなぜだ?
スターシステム全盛 . . . 本文を読む
昨年『ノーカントリー』で僕たちをノックアウトしたコーエン兄弟が早くも新作を引っさげて登場だ。しかも、今回はコメディーである。あれだけ強烈な映画を撮った後、何をやらかすのか、期待したのだが。
やられた、と思う。期待は見事肩すかしを食らう。つまらないのだ。バカバカしい映画を作ろうとして、確かにバカバカしい映画にはなってはいる。だが、それになんの意味も感じない。話は良く出来ているかもしれない。だが . . . 本文を読む
こういう小説を読んでいると、確かに面白いのだが、なんだか虚しくなる。単純に楽しめない。大体そんな単純なものでもないし。それにしてもこれだけの情報量を封じ込めるって大変な作業だろう。だが、それによって得られるものってなんだ?お話が好きな人にはこれは耐えられない作品だろう。ニンゲンなんか描く気はさらさらない。一切描いてないし。
短編は楽しめる。発想のおもしろさを感じたら、終わるから。だが長編は退 . . . 本文を読む
こういうタイプの小説を豊島ミホが書く。それって彼女にとって挑戦だったろう。それは今まで自分の目線から子供の時間を等身大に描く姿勢を崩さなかった彼女が、今初めて性的な題材に挑戦したからということだけではない。人間の暗部にスポットを当ててセックスを核に据えてドラマを作るという枷を自分に課したことで生じた今までとは違う痛みの記憶、それが彼女の新しい局面を作る。
特別なことはセックスを描くということ . . . 本文を読む