前半は面白い。だが、あまりに同じパターンで何の変哲もない話を引っ張るからだんだん退屈してくる。なぜ、凸やん(浅野忠信)は死なないのか、ということをもっと突き詰めてもいいのではないか。話が進展しないことをわざと仕掛けたのだろうが、それだけでは退屈なのだ。どうしてもそうしたいのならば進展しないことを作品の力にするような演出が欲しい。面白い話であっても、くりかえしは飽きるし、どんな不気味さにも人はだん . . . 本文を読む
何かが起きそうで、結局何も起きないまま、というこのなんともいいようもないもどかしさが、最初はとても気味が悪かった。なんでもない話だし、特別何かが起きるとは思わないが、それにしても当たり障りない話が続き、居心地悪い。だが、だんだんそれが何とも言いようのない快感に変わってくる。同じ場所、同じ人たち、同じ日。でも、時間は確実に過ぎていく。次の1年、またさらに次の1年と、時は経つ。そんな中で彼らを巡る状 . . . 本文を読む
最後はあまりに上手く出来過ぎで「ちょっとなぁ」なんて思わないでもないが、映画は夢を語るものだから、あれくらいの幸福を描いたって罰は当たらない。充分彼らは自分たちなりに頑張ってきたのだから、ちゃんとご褒美を与えてあげてもいいと思うのだ。この偶然に対して、彼らが感謝してくれたなら、いい。それは映画ならではの虚構(嘘)なんかではなく、人生を一生懸命に生きた人に対して贈られる宝物なのだ。そんな上手くいく . . . 本文を読む