これには参った。いくらなんでもこんなにも荒唐無稽をひたすら続けられると、体力が持たない。200ページくらいの中編小説ならいざ知らずこれはあまりに長すぎる。殺人事件なんて書いてあるから、推理小説か、と思うだろうが、実際はそうではない。これは謎解きとは言わない。
最初は一体何が始まるのか、ドキドキした。天皇陛下が船の外で艦にしがみついている、なんてシュールなイメージには笑わされたが、無茶がどこまでもエスカレートしていき、だんだん「どうとでもなってくれ」って気分になる。
上巻はなんとか読めたのだが、下巻はだんだんしんどくなってしまって、途中から流し読みをしてしまったんで、正直言うと、これは全体を読破しての感想ではない。すみません。
[昭和20年初頭、探偵小説好きの青年が上等水兵として、軽巡洋艦「橿原」に乗船した。そして艦底の倉庫でこれまで3人の変死事件があったことを知り、好奇心の蟲が騒ぎはじめる。「橿原」に隠された謎をめぐり憶測が飛交い、新たな変死事件は後を絶たず、艦内に不安が渦を巻き始める…。] 以上は本の帯に書かれてあった紹介文をまんまで引用。これだけ読むとなんだかおもしろそうでしょ。昭和20年と平成の日本をつないで終戦間際の日本の命運を賭けて、大和(矢魔斗)と同じ時間に日本を出航して、全く別の使命を帯びた橿原の航行が始まる。
だが、そこで展開していく取りとめもない事件の数々は、ただ呆れるしかない。これは冗談なのか、と何度思ったことだろう。そのうち何とかしてくれてお話は面白くなる、そう信じて読み続けた。そんな一縷の望みも打ち砕かれる。
わからないのだ。面白いとかつまらないとか言う次元ではない。僕にはこのバカバカしい話がどこに行き着こうとしているのか理解できなくなった。大量発生する鼠たちとか、天皇陛下の影武者とか、その鼠たちが死んだ人間たちだったり、イケメン軍団の将校たちとか、もう思い出すと切りがない。
こういう小説がこの世界にはあったんだ、と驚かされる。エンタメではない、だが純文学とはとてもいえない。上下巻で800ページ以上ある。字がみっちり詰まってる。それ以上にわけのわからない話がぎっしりある。それが謎を呼び続ける。最後まで読んでもすっきりしない。迷宮から抜けだせない。阿鼻叫喚の超大作である。僕はお勧めしない。
最初は一体何が始まるのか、ドキドキした。天皇陛下が船の外で艦にしがみついている、なんてシュールなイメージには笑わされたが、無茶がどこまでもエスカレートしていき、だんだん「どうとでもなってくれ」って気分になる。
上巻はなんとか読めたのだが、下巻はだんだんしんどくなってしまって、途中から流し読みをしてしまったんで、正直言うと、これは全体を読破しての感想ではない。すみません。
[昭和20年初頭、探偵小説好きの青年が上等水兵として、軽巡洋艦「橿原」に乗船した。そして艦底の倉庫でこれまで3人の変死事件があったことを知り、好奇心の蟲が騒ぎはじめる。「橿原」に隠された謎をめぐり憶測が飛交い、新たな変死事件は後を絶たず、艦内に不安が渦を巻き始める…。] 以上は本の帯に書かれてあった紹介文をまんまで引用。これだけ読むとなんだかおもしろそうでしょ。昭和20年と平成の日本をつないで終戦間際の日本の命運を賭けて、大和(矢魔斗)と同じ時間に日本を出航して、全く別の使命を帯びた橿原の航行が始まる。
だが、そこで展開していく取りとめもない事件の数々は、ただ呆れるしかない。これは冗談なのか、と何度思ったことだろう。そのうち何とかしてくれてお話は面白くなる、そう信じて読み続けた。そんな一縷の望みも打ち砕かれる。
わからないのだ。面白いとかつまらないとか言う次元ではない。僕にはこのバカバカしい話がどこに行き着こうとしているのか理解できなくなった。大量発生する鼠たちとか、天皇陛下の影武者とか、その鼠たちが死んだ人間たちだったり、イケメン軍団の将校たちとか、もう思い出すと切りがない。
こういう小説がこの世界にはあったんだ、と驚かされる。エンタメではない、だが純文学とはとてもいえない。上下巻で800ページ以上ある。字がみっちり詰まってる。それ以上にわけのわからない話がぎっしりある。それが謎を呼び続ける。最後まで読んでもすっきりしない。迷宮から抜けだせない。阿鼻叫喚の超大作である。僕はお勧めしない。