これは一応エッセイ集なのかもしれないが、角田光代の自伝的なエッセイで、ここに描かれる旅をテーマにした雑感の一つ一つが、今の彼女を作り上げた原点として、しっかり描き切られてある。世界中を旅した彼女の旅行記なのだが、どこに行ったか、が問題にはされない。そこで何をして、何を感じたのかが、描かれる。ここではない、どこかに行く。それは初期の小説でも何度も描かれてきたことだ。あの寂しさは、彼女がさまざまな旅 . . . 本文を読む
第2回日韓演劇フェスティバル参加作品として上演された。再演2本立である。5年半前の初演が懐かしいと思うくらいに初々しい作品だ。まだ、あれから6年も経っていないのである。金さんは6年振りです、と言っていたけど、実際は5年半だし、東京公演からなら5年程だ。なのに、それがこんなにも懐かしいと思えるくらいにこの5年間でMayは成長してしまった。それは喜ぶべきことなのだが、前作『ビリー・ウエスト』を見たと . . . 本文を読む