3都市公演である。東京、福岡、を経て大阪で千秋楽を迎える。劇場も小劇場ではなく、ドーンセンターという中劇場を使う。「日韓演劇フェスティバル」の一環として、上演される企画ものだ。岩崎さんとしては久々にオーソドックスな作品となる。こういうリアリズムの文体で語る歴史の一断面を気負うことなく、正攻法で描く。
時間軸は1961年。その、とある1日に設定された。場所は大阪の下町。コリアンタウンの小さな旅 . . . 本文を読む
死神を主人公にしたシリーズの第3弾である。戒田竜治さんはこのシリーズを通して、とても軽やかなドラマの語り口を手に入れた。特に今回は、この枠組みを通してなら、普段より自由なお話を作れることを理解し、意識的に、この作品構造を活用する。チラシにもある「ボク、幸せやったんや」という単純な一言に向けて、とてもシンプルなドラマを作り上げる。なんだか拍子抜けするくらいにわかりやすいのだ。もちろん時制はどんどん . . . 本文を読む
家族の物語である。偶然にも2本とも。しかもいずれもジュリアン・ムーアが主演だった。レンタルしてきたときには、そんなこと気にも留めなかったから、ちょっとしたその偶然に驚く。しかも、彼女は同じような役なのである。主婦で、家族の崩壊を食い止めたいと願いながら、自分がその引き金を引いている。鈍感な女というとちょっと可哀想だが、結果的にはそうなる。どちらも最後は強引に上手く収まる。特に『クロエ』の方は、え . . . 本文を読む
東京から初めて大阪にやってきた劇団だから、ちょっとドキドキしながら、見た。どんな新鮮な芝居を見せてくれるのか、期待させる。しかも、若手ではなく10年以上着実に実績を重ねてきた中堅集団らしい。なんだかそういうのっていいなぁ、と思う。自分たちのスタイルをしっかりと持ち、それがぶれることなく、マイペースで芝居を続ける。そんな劇団がわざわざ大阪で公演をしてくれる。有難い話だ。
チラシにはこうある。「 . . . 本文を読む
シリーズ第6弾となる。こんなにも続くなんて思いもしなかった。きっと作品は好評で、作者もこの世界が大好きで、どんどん、友だち、家族の輪を広げていくうちにこんなことになったのだろう。これだけ登場人物が増えては収拾がつかなくなるのではないか、という心配をよそにして作者は自由気ままに連作を続けていく。まだまだ先がありそうだ。
こういう昔ながらのホームドラマが、これほど枯渇していて、にも関わらず求めら . . . 本文を読む