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これは一応エッセイ集なのかもしれないが、角田光代の自伝的なエッセイで、ここに描かれる旅をテーマにした雑感の一つ一つが、今の彼女を作り上げた原点として、しっかり描き切られてある。世界中を旅した彼女の旅行記なのだが、どこに行ったか、が問題にはされない。そこで何をして、何を感じたのかが、描かれる。ここではない、どこかに行く。それは初期の小説でも何度も描かれてきたことだ。あの寂しさは、彼女がさまざまな旅を通して得たものだった。それを、日常を描く小説として披露していたのだということに気づく。まぁ、そんなことは、最初からわかっていたことなのだが、ここまで明らかにされると、ほんとうにそうだったのだなぁ、と改めて思うこととなる。彼女の創作の秘密は明らかになる。まぁ、そんな大袈裟なものではないのだが、そんなことすら見えてくる作品なのである。
読みながら、共感するものばかりで、僕が彼女の小説をデビューのころから、大好きだったのは、こういうことだったのか、なんて、勝手にわかった気になる。海外を旅して、いつも思うことが、とてもよくわかることとして、同じように書かれてある。まぁ、僕は彼女と違って臆病だから、彼女のように大胆な旅はできないけど、感じることは同じだ。大胆な彼女の中にある「臆病」な部分。それを、もっと月並みにしたら、僕になる。そんな感じだ。まぁ、きっとこれを読んでいる人にはわからないだろうが、気にしないでください。
夜に降り立った空港から市内の中心地まで行くときの、ドキドキする感覚。初めての国の、初めての場所(当たり前だが)だんだん町の明かりが見えてきて、やがて繁華街に到着する。ホテルに入るまでドキドキは続く。荷物を置いて、夜中の町に出て行く瞬間の開放感。でも、見知らぬ街の見知らぬ場所で、これから数日とはいえ「生活する」という緊張と興奮。それが好きだ。名所旧跡なんか、どうでもいい。ただ、なんでもない街のかたすみを歩く。そこで発見した観光客が誰も行かないような場所に行く。旅行書で見つけて、なんとなく気になっていた場所へ行く。でも、そこで大事なのはその場所ではなく、そこに行くまでの行程の方だったりする。偶然入った食堂だとか、たまたま会った人だとか、そんなことが、楽しい。覚えているのは、そんなことばかりだ。だから、いつも行き先だけ決めて、実際に着くまで、そこでどうするか、なんて考えない。行き当たりばったりである。明日行くところは前日の夜に考える。決まっているのは与えられた時間が何日間か、だけ。そんな旅が好き。まぁ、僕はいつもそんな感じだ。
ここに書かれてあることにあこがれる。こんなふうに旅が出来たならいいだろう。でも、僕たち普通の社会人には不可能だ。仕事があるし、休みもない。せいぜい1週間くらいしか、長期休暇は取れないから、行けるところも、限定される。まぁ、愚痴を言っても仕方ない。たとえ3日であろうとも、4日でも、やれることはあると思い、そうする。これを読んでいると、また、どこかに旅したい、という気分になる。やばい。
読みながら、共感するものばかりで、僕が彼女の小説をデビューのころから、大好きだったのは、こういうことだったのか、なんて、勝手にわかった気になる。海外を旅して、いつも思うことが、とてもよくわかることとして、同じように書かれてある。まぁ、僕は彼女と違って臆病だから、彼女のように大胆な旅はできないけど、感じることは同じだ。大胆な彼女の中にある「臆病」な部分。それを、もっと月並みにしたら、僕になる。そんな感じだ。まぁ、きっとこれを読んでいる人にはわからないだろうが、気にしないでください。
夜に降り立った空港から市内の中心地まで行くときの、ドキドキする感覚。初めての国の、初めての場所(当たり前だが)だんだん町の明かりが見えてきて、やがて繁華街に到着する。ホテルに入るまでドキドキは続く。荷物を置いて、夜中の町に出て行く瞬間の開放感。でも、見知らぬ街の見知らぬ場所で、これから数日とはいえ「生活する」という緊張と興奮。それが好きだ。名所旧跡なんか、どうでもいい。ただ、なんでもない街のかたすみを歩く。そこで発見した観光客が誰も行かないような場所に行く。旅行書で見つけて、なんとなく気になっていた場所へ行く。でも、そこで大事なのはその場所ではなく、そこに行くまでの行程の方だったりする。偶然入った食堂だとか、たまたま会った人だとか、そんなことが、楽しい。覚えているのは、そんなことばかりだ。だから、いつも行き先だけ決めて、実際に着くまで、そこでどうするか、なんて考えない。行き当たりばったりである。明日行くところは前日の夜に考える。決まっているのは与えられた時間が何日間か、だけ。そんな旅が好き。まぁ、僕はいつもそんな感じだ。
ここに書かれてあることにあこがれる。こんなふうに旅が出来たならいいだろう。でも、僕たち普通の社会人には不可能だ。仕事があるし、休みもない。せいぜい1週間くらいしか、長期休暇は取れないから、行けるところも、限定される。まぁ、愚痴を言っても仕方ない。たとえ3日であろうとも、4日でも、やれることはあると思い、そうする。これを読んでいると、また、どこかに旅したい、という気分になる。やばい。