これは傑作だ、と言ってもいい。ただ、あまりにきれいに納めてしまうところは、物足りない。鈴木友隆は、一見すると気を衒うように思わせといて、最終的には、正攻法で見せる。ちょっとストレート過ぎて、少し照れるけど、ちゃんとこれを真摯に受け止めよう。彼の素直な想いは甘さとは無縁だ。砂糖菓子のような芝居ではない。ハードですらある。でも、最終的にはハートウォーミングになる。負の連鎖を断ち切るために、その根源に . . . 本文を読む
この不思議なタイトルの理由はすぐに説明されるのだが、そんなことより、この単純なタイトルに秘められた想いの深さに心締めつけられる。癌で死んでいく父親の家族への想いが「星やどり」である。喫茶店の名前としてだけではなく、ここでみんなが一緒になって過ごす、そんな場所。父親は自分がいなくなって、それでも自分が作ったこの場所でみんなが寄り添い生きていくのを見守ることが出来たなら、と思う。
6つの短編集は . . . 本文を読む