本年度のアカデミー賞で作品賞を受賞した。とても地味な映画で日本では劇場公開時はまるで話題にならなかった作品なのに、アカデミー賞効果で、3月には劇場で再上映され、続いてDVD化もされた。確かに悪くはない。だが、これが数ある作品を押しのけ、最優秀作品賞を獲るほどの映画だとは思わない。まぁ、昨年の『アーティスト』も小粒過ぎて、これが最優秀作品賞なんか? と思ったけど、今回もなんだか物足りない。もちろん . . . 本文を読む
アクサルの『11人いる!』を見たとき、惜しい、と思った。企画としては申し分がない。男性だけの集団として活動する彼らのレパートリーとして、この漫画を持ってくるのは上手い選択だ。だが、ミステリータッチのこの作品の肝は密室での犯人探しではなく、ここに個性が際立つことで、彼らがどう成長していくことになるのか、そこをちゃんと見せきれなくては意味がない。ドラマとしての奥行きに欠けるから、表面的な派手さが余計 . . . 本文を読む