中田永一の原作も素晴らしかったけど、この映画の感動はそれを遥かに凌駕している。これは現代の『二十四の瞳』であり、『サウンド・オブ・ミュージック』だ。ポスターや宣伝用のチラシの写真も明らかにその線を狙っている。ここまで大胆に歴史に残る大傑作の向こうを張って、全く怯むことはない。作品自体はその二本と似ているわけではないけど、そんな作品を引き合いに出したくなるほどに、これは素晴らしいということだ。
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中西邦子さんは、ある劇団の最後をこんなにも自然体で見せてくれる。それは驚きだ。劇団の終わり、というドラマチックな(いささか自虐的でもある)ネタを仕込んで、こんなにもさわやかなお芝居として立ち上げてしまう。
これは重くて暗いお話にすることも充分可能だ。というか、本来ならそうなるような題材だろう。そして、その方がきっと作品としては面白くなるはずなのだ。だが、彼女は断固としてそうはしない。女性だけの小 . . . 本文を読む