帰る場所がある。ただそれだけでどんなに心が強くなれることだろうか。しかし、彼らは自分からそれを失おうとしている。愚かなことだ。でも、そのことに自分では気づかない。父を失い、本当はこんなにも不安なくせに、その不安を解消するために、敢えて棄てるという選択を選ぼうとしている。
母だけでなく、父もなくした。そんな主を失った家に留まり続ける次男。ここを離れて大阪で暮らす長男と、長女は、それぞれ自分の家庭 . . . 本文を読む
あまり期待しないで見た。でも、大好きな松岡錠司監督作品なので、つまらないはずはない、と信じた。6年振りの新作だということだ。確かにそれくらいになる。だから、これが松岡作品と知っただけで、見に行くことにした。でも、深夜に放送されたTVドラマの映画化だし、なんか、そういうのって安易で好きじゃないなぁ、とも思った。しかし、これが思いの外、(いや、思い通りに、だ!)すばらしい。
3話からなるオムニバスス . . . 本文を読む
これはなんと城崎温泉にて制作された芝居で、大阪経由東京行きとなる。カムヰヤッセンの北川大輔さんが、新しく立ち上げた個人ユニットで、城崎国際アートセンターが企画を募ってその審査に合格した作品。この現地滞在による制作上演というのって凄い。東京公演は来週18日からになる。東京より、一足お先にこの秀作を見ることが出来たことになる。うれしい。
ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』(僕たちの世代にとっては、とて . . . 本文を読む