うちやまつりの続編である。6年後のお話だ。だが、登場人物が重なるわけではないし、お話の連続性もない。舞台となる場所も違う。あの団地はすでに取り壊されている。その跡地となった場所を望むドライブインが舞台となる。演出は、「劇団清水企画」の清水友陽。
とても丁寧に作られてある。深津さんの戯曲を大切にして、その描こうとしたものを余すところなく、掬い取ろうとした。その誠実な姿勢は気持ちいい。しかし、それは . . . 本文を読む
3つの短編集。このパターンは外輪さんの得意技だ。好きなお話をうまくつないで、一つのテーマや世界を提示する。今回は「闇」を仕掛けに利用する。闇の中で話が展開し、闇が話の中に紛れ込む。だから、タイトルも見えない。僕がタイトルを書き忘れたのではない。(もちろん、外輪さんが忘れたわけでもない。)この作品にはタイトルがないのだ。見えないだけなのかもしれないけど。
いずれもちょっとへんなお話。少しエロチック . . . 本文を読む
犬になりたい女の子が主人公。彼女がチョコリエッタ。知世子、だから。大島真寿美の小説を風間詩織が映画化。2時間39分にも及ぶ長尺映画なのに、たいしたストーリーはない。
ひとりの女の子(森川葵)が、この春卒業した高校の映画部の先輩の家にフェリーニの『道』を借りに行く。でも、先輩は一緒にここで見ようと言う。だから、ふたりで見る。そして、ザンパノとジェルソミーナのようにふたりで小さな旅に出る。ただ、それ . . . 本文を読む
2011年3・11にふたりは出逢い、2011年12月31日に子供が生まれる。それから10年後、しるしと名付けられた2人の娘は、自分の生い立ちについて小学校の宿題である作文に記す。小説のラストはその作文だ。
ふたつのしるしが、それぞれ生まれ、生き、出会う。生まれたところから始まる人生という物語における4つの時間が、短編小説のようにして、読み切りでつづられる。対になったふたりの4つの時間の8つのエピ . . . 本文を読む