今年の1本目の芝居は無名劇団だった。ウイングの1月番組で、僕はそこで初めてこの劇団を見た。なかなかおもしろかった。こういうミステリタッチの作品を提示するんだ、と感心した。しかも、とても真面目。僕はまじめな人は好きだ。(ふまじめが魅力の劇団も確かにあるけど)まじめは、ふまじめよりも難しい。しかも、つまらなくなる場合も多々あるからだ。まじめなのにおもしろいというのは実はリスクが高い。まじめすぎて、少し . . . 本文を読む
マイケル・マンの5年振りの新作である。『ヒート』以降、僕はマイケル・マンの信者だ。彼の渋い映画の虜だ。アクション映画の世界において他の追随を許さない。
派手なだけで、空疎なハリウッド映画には辟易している。CGを多用して、火薬の量ばかりを増量すればいい映画になるとでも思っているのか、そういうバカ映画にはもううんざりしている。目が疲れるばかりのうそくさい映画はもうこりごりなのだ。
彼の映画は信用で . . . 本文を読む
『ぼくのおばさん』シリーズの第3作、第4作を連続して読んだ。先の2作もよかったけど、今回は成長した2人(陽介と卓也)を描くため、それぞれ別々の場所に身を置くふたりを交錯させない。しかも、3作目は、まず魴鮄舎(ほうぼうしゃ)を出て、高校生になった陽介を通して、距離を置いた視点から、改めて、自分にとって魴鮄舎は何だったのか、が描かれる。この2冊で彼らは16歳から17歳にな . . . 本文を読む
先月の『ホワイトの巻』に続く第2弾だ。先のvol.1にも書いたが、この公演はなんと9ヶ月続く。たかせさん自身が、今回のMCで喋っていたけど、こんなにも大変なことをしなければよかった、というのは実感だろう。考えたときには、大丈夫だ、と思った、だろう。僕もそう思う。彼らならそれくらいのこと、大丈夫、と。でも、これは思った以上に大変なことだ。そのことが、今回の2作目で実感できた。
つまらなかった、なん . . . 本文を読む
この作品を見るのは2度目だ。前回はアイホールで見た。衝撃的な傑作だった。そして、それと同じくらいに衝撃だったのは、この芝居の狭さ、だ。こんなにも狭く空間を使う芝居を見たことがない。しかもそれをアイホールで上演したのだ。広いアイホールの舞台をあそこまで狭く使い、さらには客席も狭く使う。ありえない、と思った。でも、そのありえなさがこの作品の魅力なのだ。
でも、始めて見たとき、出来ることならこれをち . . . 本文を読む