野中柊の力作長編『波止場にて』を読んでいたら、どうしてもこの映画を見たくなった。もともとこの夏一番見たい映画だったのだが、なかなか機会が作れず、今日まで見逃したまま過ごしてきたけど、そろそろいいかげん見に行かなくては公開が終わりそうなので、ほかの用事をキャンセルして見に行く。
『波止場にて』は昭和10年代、横浜が舞台となる。10歳だった少女が戦禍をくぐりぬけて、戦後を生きた姿を描く。戦争が終わ . . . 本文を読む
この夏休み20冊くらい本を読んだ。でも、時間がなくて、ほとんどの本について、ここに書いていない。そこで、ほんの少し、おもしろかった本のことを紹介しよう。20冊のうち、4,5冊は書いたけど、ほかにも面白い本がたくさんあった。
20冊は別に多くはない。夏は40日くらいあったから、いつもと変わらない。だが、夏休みは授業がないから、忙しい。普通に授業があれば空き時間にのんびりできるけど、そうじゃないか . . . 本文を読む
この短編集を読みながら、そのあまりに心地よさに陶然となる。川上弘美の世界はいつも同じだから、読みながら、この小説絶対に読んだことがあるよ、と思った。でも、2013年10月出版だから、もし読んでいるなら、2014年ということになる。昨年のことだ。昨年これを読んだ記憶はないから、絶対に思い違いである。でも、まるでデジャブみたいに、描かれるお話に記憶がある。もちろん、ほかの川上弘美の短編集にあるお話に . . . 本文を読む