この映画を見ながら、『パイドパイパー』と較べている自分に驚く。まるで違うじゃないか、と知りつつも、ひとりの少女が世界を救うドラマという括りをそこに見出して、これは違うとひとりごちている。
押井守のこの最新作は、前作『パトレイバー 首都決戦』に続いて、少女が戦うドラマだ。ヒロインは真野恵理菜に続いて今回は清野菜名。何が起きているのか、わからない。美術専門学校に通うかつての天才少女。しかし、今では . . . 本文を読む
確かに凄い映画だ、と言える。しかし、ここでも中途半端なイメージしか残さない。何かが足りない、と思うのは僕ひとりか? このバフマン・ゴバディの新作を見て、こんな不満を抱くことになろうとは思いもしなかった。それはこの後見た『野火』にもつながる。いずれも渾身の力作であることは疑いようもない。しかも、彼ら才能ある監督が、命を削って作った魂の一作だ。なのに、それらが僕の心には届かない。もうそれって、僕の罪 . . . 本文を読む
これは、彼女ひとりででも、できる。林遊眠一人芝居としても充分上演可能な作品なのだ。要するに、これは他所行きの作品ではなく、いつもと同じなのだ。だから、うれしい。
2時間以上に及ぶ長編を彼女は、たったひとりで何役もこなしながら壮大なスケールのスペクタクルとして見せる。それが今のショウダウンの定石だ。
ただ今回の作品は、サザンシアターからHEPホールに舞台を移して、大きな舞台にちゃんとしたセットを . . . 本文を読む