ようやくこの映画の後編を見ることが出来た。期待以上の出来でうれしい。3月に前編を見たときに感じた危惧はただの杞憂に終わったようだ。大友啓史監督は、今回はアクション映画ではなく家族の物語を作ろうとしていた。その想いがちゃんと伝わる完結編に仕上がる。
前編を見たとき、ただひたすら戦い続ける主人公の零(神木隆之介)のストイックな姿に共感しながらも、それだけで終われないな . . . 本文を読む
こういうSF映画はめったにない。従来のハリウッド映画はこういう作り方を一切しないし、出来ないからだ。観客のニーズに応えなくては十分な興行成績があげられないとプロデューサーが勝手に判断する。監督の意向は汲まれることはない。SF映画史の金字塔リドリー・スコットの『ブレードランナー』の闘いの記録を思い出せばいい。いくものバージョンが公開され、最終版に至るまでの奇跡は目撃できる。(キューブ . . . 本文を読む
なんてやさしい作品なのだろうか。主人公の男を演じた土本ひろきさんがとてもいい。彼の人柄がそのまま出たような穏やかな人物を自然体で見せる。彼は倉庫の管理人として、ここで静かに過ごしている。時間を無為にしているともいえるけど、それもまた、ここでの仕事だろう。いろんなことを、すべてそのまま受け入れるようにして生きている。気がする。彼とおなじようにして、アルバイトの女性(得田晃子)も、居心 . . . 本文を読む
久しぶりに見たコトリ会議はやっぱりとてもよかった。へんな宇宙人の兄妹(とうぜん、こういう役は若旦那家康が演じる)が出てきたり、もちろん、牛嶋千佳さんが演じる「野お母さん」(なんだ?この名前は!)は、もっとへんで、不気味。
芝居の舞台となる竹藪の中を彷徨う人たちは、みんな死のうとしているけど、なぜ、死のうとしているのか、よくわからない。でも、人は必ずしもそれぞれちゃ . . . 本文を読む
「えっ、これでおしまいなの?」 思わずそう声を上げそうになった。「何も話ないじゃん!」と。
メキシコからアメリカに密入国する男女が、わけのわからないハンター(メキシコからの密入国者を嫌っている博愛主義者)に追い回されて、殺されていく。ただただ逃げる。それを88分、問答無用で描く。(確かに、この内容なら90分切れる)
こういう映画は嫌いではないけど . . . 本文を読む