習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『天気の子』

2019-08-01 17:58:44 | 映画
ようやく見てきた。期待度マックスだったので、実は少し心配だったけど、予想外の大胆な映画で感心した。暗い映画だ、とは聞いていたけど、こんなにも救いのない映画だなんて、想像を絶する。先日の『アルキメデスの大戦』といいこれといい、この夏の日本映画のメジャー大作は実に攻撃的で挑戦的だ。安全圏で勝負するアメリカ映画のメジャー大作映画とは一線を画する。 新海誠は『君の名は。』の大ヒットのあと、この映画を手掛 . . . 本文を読む
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大島真寿美『モモコとうさぎ』

2019-08-01 17:10:08 | その他
先日『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」で直木賞を受賞した大島真寿美が2018年に発表した作品。いつも彼女の小説は面白いけど、今回はその不思議な感触も含めて、僕には『渦』以上に面白かった。今、自分も仕事を失う恐怖と向き合っていることも影響しているのかもしれない。 個人的な話で恐縮なのだが、実は、後8か月で定年退職を迎える予定だ。そうなのだが、この期に及んで、自分が何をしたいのか、よくわからないで悶々と . . . 本文を読む
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『アルキメデスの大戦』

2019-08-01 16:53:47 | 映画
  こんな映画を作っていいのか、と思わせるくらいにこれはマニアックな作品になった。しかも、地味だし。なのに、もの凄いお金がかかる大作映画である。メジャーな商業映画で、一見すると「戦争もの」のSFX超大作を思わせる。しかし、見てみるとそんな予想は覆される。こんなはずじゃなかった、と思いつつ、騙された気分で見ることになる。だが、そのなんともいえない心地よさ。最高の裏切りの心ときめく。 こ . . . 本文を読む
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『サマーフィーリング』

2019-08-01 16:46:27 | 映画
  ミカエル・アース監督によるこの映画は、大切な人の死から始まる。茫然自失の主人公、そんな彼のその後の時間を、ドラマチックに描くのではなく、日常の中に埋もれていくように静かに描く。映画は、恋人とのセックスの後から始まり、新しい恋人とのセックスまでを描く。だが、それは彼女を忘れるまでのお話ではない。忘れないという、主人公の固い想いが胸に沁みる。でも、人はどんなことがあろうとも、その後の時 . . . 本文を読む
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阿倍野高校『失せ物』

2019-08-01 16:43:31 | 演劇
  笑いをテーマにして手慣れたタッチで1時間ほどの芝居を作り上げた。安心して見ていられるのだが、可もなく不可もなく、というなんだか安全圏で勝負したような芝居で、物足りない。ホッとさせる、のではなく、ハッとさせる、そんな芝居が見たい。   タイトルの「失せ物」にもっと意味を持たせてもよかったのではないか。彼らが夢を追いかける姿を通して僕たち観客もそこから元気を貰える、彼らを . . . 本文を読む
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金蘭会高校『人魚伝説』

2019-08-01 16:42:20 | 演劇
  とても美しい舞台だった。作品自体に力があるし、それを30名に及ぶキャストが一丸となり圧倒的な迫力で見せる。きちんと作り込まれた舞台美術だけではなく、大人数のキャストを適所に配置しての群舞とでもいうべき空間造形の見事さ、特にラストシーンの美しさは圧巻だった。人魚(金魚)の口の中から出てくる赤い糸をどんどん引き延ばしていくシーンの美しさは感動的だった。   まだ幼い高校生 . . . 本文を読む
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