これは実に勇気にある映画だ。なのに、それをまるで苦労を感じ指さないクールな見せ方で、スマートに描いている。若い監督(藤井道人)が物怖じすることなく、こういう危険はお話を愉しみながら作っているのがいい。今の日本の政治を扱うというタブーに挑戦しているのにも関わらずそこには悲壮感はないのが凄い。
それにしても主人公のふたり(シム・ウンギョンと松坂桃李)がほんとうに素晴ら . . . 本文を読む
今年のHPF最後のプログラムである。実に高校生らしい芝居で、1時間20分という少し長い上演時間も、悪くはない。内容的には60分で十分にまとめられるのだが、たとえ冗長になろうとも、やり切った、という自己満足を重視したい(と、思ったのだろう)。やり残したことはない、と言い切れるまでこの芝居を楽しみたい。だから、80分。それでいい。スマートな芝居でなくてもいいから、最後まで全力で演じきる . . . 本文を読む
今年もまた『ワイルドスピード』がやってきた。「これってもう夏の恒例行事になってきたのではないか」と書こうと思って、はたと気付く。「このシリーズって夏に公開してたっけ?」(してない!)しかも、最初はスピードレースの話だったはずなのに、今ではまるで様相を異にしてヒーロー物で、スパイアクション映画にもなっている。もう何が何だか、の世界なのだ。だからトム・クルーズの『ミッション・インポッシ . . . 本文を読む