初演のアイホール公演も素晴らしかったが、今回の再演はあれ以上に素晴らしい。高橋恵の抑えた演出が冴え渡る。2年前のオリジナルキャストを集結させて、丁寧に3回の講座を見せていく。まるでこのボイストレーニングに自分も参加している気分になる。芝居は物語ではなく、この講座のライブ中継のような趣を呈する。
廃校となった校舎を再利用して市民講座を開講している。だが、市の勝手な要 . . . 本文を読む
ここに及んで「ぼつじゅう企画」(大竹野正典没後10年記念公演企画)怒濤の連作である。こんなことが起こり得るなんて、彼の生前には想像もしなかったことだ。毎月、複数の大竹野作品が公演されるのだから驚きだ。
さて、9月の一番手は、今回のオリゴ党である。岩橋演出による大竹野正典作品という組み合わせの意外性にドキドキしながら見る。違和感はない。確かに普段の岩橋作品とは一味違 . . . 本文を読む
今回もホラー映画だ。ジョーダン・ピール監督の第2回監督作品。ただ前作の『ゲット・アウト』は黒人差別の問題を前面に押し出す社会派的なアプローチが根底にあったが、今回は完全な娯楽映画のパターンに収まる。そのぶん、安心して見ることが出来るが、お話自体は凡庸。だけど、これが実は侮れない映画なのだ。パターンのフリしながら、微妙なところでそこを巧妙に裏切りながら、ある世界観を提示する。
それは、 . . . 本文を読む