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映画・演劇のレビュー

『ルパン3世』

2014-08-29 21:15:36 | 映画
 なんてド派手な映画なんだろうか。感心するよりも、呆れる。ここまでドンパチ祭りをする必要があったのか。これではルパンたちがただの機械人形でしかなく、その役割を演じて見せただけになる。彼らが人間としてそこにいる気がしない。

 最初はおなじみのキャラクターたちが実写で動き回るだけで、楽しかったけど、そのうちそれだけでは、飽きてくる。彼らが何者で、何をしようとしているのか、という映画としては当たり前のことを見せて欲しくなるのだが、この映画はそんなことには一切頓着しない。操り人形のように、ただ動くだけ。まるで、ドラマとしての面白さがない。

 ストーリーらしいストーリーがないから、エスカレートするアクションも、ペラペラの電動紙芝居。ストーリー自体も、こんなにも単純な話なのに、人間関係の整理がちゃんと出来てないから、ごちゃごちゃしていて、なんだかわけがわからないし。

 過激なスタントのオンパレードで、北村龍平監督らしいと言えば、そうなのだが、それをルパンでやる必要があったのか。ルパンを通して何を見せたかったのか、ではなく、ルパンを実写で見せたかっただけなのなら、映画にしなくてもCM(あの、ジャン・レノ主演『ドラえもん』のように!)で充分なのだ。

 2時間13分もの上映時間があるのに、そこにあるのはアクションだけで、彼らのドラマは一切ない。ルパン役の小栗旬も、銭形の浅野忠信もこんなにも熱演しているのに、映画自体がこんなにも空回りしていてはもったいない。ほぼ全編海外ロケというのも、なんだかなぁ、であった。期待が大きすぎたため、失望も大きい。

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