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映画・演劇のレビュー

『トランスフォーマー ロストエイジ』

2014-08-29 20:37:54 | 映画
 この夏最大のスケールのアメリカ映画を見逃すわけのはいかない。出来るだけ大きなスクリーンで見るための、一刻も早く見に行きたいと思ったけど、なかなか忙しくて劇場に行く余裕がなかった。ようやく先日目撃してきた。これは映画と言うよりもアトラクションだろう。それはこれまでの3作品が証明している。

 今回、これまでの3作からキャストを一新しての新シリーズ第1弾となる。主人公にベテランのマーク・ウォールバーグを持ってきたには、ストーリー部分での充実を図ったためだろう。前作は3Dによる迫力映像を終始展開するも、ストーリーの杜撰さゆえ、途中から退屈してしまったが、今回はドラマとスペクタクルのバランスもいい。アクションの後にはちゃんとお話も用意する。しかも、お話の方もアクションの邪魔をしない程度にお間抜けな話で、でも、ウオールバーグが、無邪気にノーテンキに演じるから、腹は立たない。年頃の娘とその恋人のレーサー男の関係にやきもきしながらも、3人で大暴れする。トランスフォ-マーを助けて、敵の陰謀を暴く。実にしょうもない話なのだが、それでいい。こういう娯楽映画はその鉄則を守ってお決まりの展開でいいのだ。それをいかに心地よく見せるかが監督の腕の見せ所。だが、マイケル・ベイはおもちゃごっこに夢中で、お話部分はウオールバーグにお任せ状態だ。困ったものだ。

 しかも、この程度のお話で、2時間45分である。自分(マイケル・ベイね)は楽しいかもしれないが、観客である僕たちは、さすがに飽きてくる。お子ちゃまのベイ監督の一人遊び状態である。大人なら、この手のアクション映画は2時間以内で収めるべきだ。

 いくらなんでもここまでてんこもりのサービスは必要ないし、せっかくのクライマックスも、そこを見る前に観客は息切れしてしまっている。それではもったいないではないか。もっとすっきりした映画として見せたほうが効率的だ。(製作費も削れるし)

 技術面での仕上がりは申し分ない。前作よりも、もっと凄いものを見せてくれる。スピードも迫力も満点だ。シリーズ最高の仕上がりであることには異論はない。それだけに、全体をもう少しスリムにして、一気に見せてしまう工夫が欲しかった。中国、香港シークエンスは、営業上のお約束なのかもしれないが、ああいう2段構えのクライマックスは、もう少し上手く作らなければ、映画を間延びさせてしまうだけだ。

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