きっと面白い、と思いつつも、3時間という上映時間に恐れをなして、なかなか見れなかった。昨年の劇場公開時もそうだったが、DVDになってからもなかなかレンタル出来なかった。ここに至ってようやく見たのだが、こんなにも素敵な映画を今までほったらかしにしていたなんて、なんてもったいないことをしてたのだろうか。そんな気分にさせられる傑作だった。
昨年5月公開され、楽しそうな映画だな、と思い、チャンスがあれば見に行こう、と、その程度の認識だった。だから、当然見に行かない。インド映画は長いし、娯楽映画としては楽しめるけど、わざわざ進んでぜひ見たいとは、思えない。時間の無駄、とまでは言わないけど、見ている間だけ楽しめたならいい、というタイプの映画はどうしても後回しにしてしまう。
でも、これはそのレベルの映画ではなかった! 凄すぎる。お話自体はよくあるパターンで、インド映画の王道を行く作品でしかないのだが、一見ただの娯楽映画のパターンを踏襲しながら、そこには、高度成長期にあるインドの社会問題も織り込みながら、でも、なんだかわからないくらいに凄い映画になっている。あれこれてんこ盛りにして、なんだかとても大切なものを訴えてくる。
学園もの(3人組の大学生のお話。これが話の中心を担う内側の話)で、ミステリー(外側は、失踪したそのうちの一人を捜す話で、彼がこの映画の主人公)で、典型的なマサラ・ムービーなのだが、この映画を見ていると、なんと、生きていくための勇気がもらえるのだ。もちろん調子のいい話だ。あり得ない展開ばかりで、この映画を見て、呆れてものも言えない人も多々いるはずだ。だが、こんなことがあり得たなら、面白い、そう思わせるのが、映画の魔法で、これはそういう映画なのだ。映画のマジックに乗せられて、3時間のあり得ない旅に出ればいい。
2部構成で途中にちゃんとインターミッションが入るのも、いつものパターンなのだが、そこがまた、見事に上手いところに用意されてある。ここまでで、映画を終わらせてもいいくらいにちゃんとした結末がある。しかし、後半、そこからまた先に進むだけではなく、ちゃんと元に戻って話が展開する。終わりそうで終わらない。どんどん引っ張る。まるで、ヒットして話を水増しするTVドラマやマンガみたいだ。でも、それが不快ではない。上手いのだ。『トランスフォーマー ロストエイジ』もこの映画を見習えばいい。長尺映画の本場インドは、鍛えられているから、3時間の使い方が上手い。ハリウッドは今はそんな映画を作らないから、(しかも娯楽映画で)たまにすれば、ああいうことになる。
まるで、この映画の話にはならない。どこから書けばいいのか、あまりに膨大すぎて、手がつけられないのだ。
ラストの、「そこまでやるか!」のどんでん返しには、呆れてものも言えない。あそこまでしなくてはインドの観客は納得しないのかと驚いた。田舎の小学校の先生として、みんなから慕われる。それだけで、充分に幸せだと、日本人である僕なんかは考えてしまう。でも、インド人はそうではないようだ。
典型的なパターンの応酬から話はどんどん進んでいく。当然派手なミュージカルになり、ダンスシーンもある。権威主義の大学の学長と彼ら3バカトリオのバトルが延々と描かれる。手を変え品を変え、あの手この手が楽しい。ここまでやるか、と思う。
みんなの幸せを望む。自分のことなんか後回しだ。でも、それが善意の押し売りにはならない。彼は心から望んでそうしている。嘘くさい奴、スレスレ。
10年後から始まって、14年前、大学に入学するところから卒業までの4年間のドラマを描く。今と、あの頃を交錯させて、再会までの破天荒なドラマが延々と描かれていく。スクリーンからは一時も目が離せない。信じれば叶う。きっと、うまくいく、というタイトルはそういうことを訴える。そんな簡単なことではないのだよ、とはこの映画は言わさない。 植木等のように調子よく、軽薄そうに生きるのではない。トム・ハンクス似の主人公はどちらかというと誠実な感じだ。それだけにこんなにも調子よくいけるはずはないのに、なんだか納得させられる。
大切なもの。大丈夫だと自分を信じる心。どんな逆境にあろうとも。そうして立ち向かっていく。そうすることで道は出来る。そんな簡単なことをちゃんと教えてくれる映画だ。この一見バカバカしい筋立ての中にある真実に心洗われる。
昨年5月公開され、楽しそうな映画だな、と思い、チャンスがあれば見に行こう、と、その程度の認識だった。だから、当然見に行かない。インド映画は長いし、娯楽映画としては楽しめるけど、わざわざ進んでぜひ見たいとは、思えない。時間の無駄、とまでは言わないけど、見ている間だけ楽しめたならいい、というタイプの映画はどうしても後回しにしてしまう。
でも、これはそのレベルの映画ではなかった! 凄すぎる。お話自体はよくあるパターンで、インド映画の王道を行く作品でしかないのだが、一見ただの娯楽映画のパターンを踏襲しながら、そこには、高度成長期にあるインドの社会問題も織り込みながら、でも、なんだかわからないくらいに凄い映画になっている。あれこれてんこ盛りにして、なんだかとても大切なものを訴えてくる。
学園もの(3人組の大学生のお話。これが話の中心を担う内側の話)で、ミステリー(外側は、失踪したそのうちの一人を捜す話で、彼がこの映画の主人公)で、典型的なマサラ・ムービーなのだが、この映画を見ていると、なんと、生きていくための勇気がもらえるのだ。もちろん調子のいい話だ。あり得ない展開ばかりで、この映画を見て、呆れてものも言えない人も多々いるはずだ。だが、こんなことがあり得たなら、面白い、そう思わせるのが、映画の魔法で、これはそういう映画なのだ。映画のマジックに乗せられて、3時間のあり得ない旅に出ればいい。
2部構成で途中にちゃんとインターミッションが入るのも、いつものパターンなのだが、そこがまた、見事に上手いところに用意されてある。ここまでで、映画を終わらせてもいいくらいにちゃんとした結末がある。しかし、後半、そこからまた先に進むだけではなく、ちゃんと元に戻って話が展開する。終わりそうで終わらない。どんどん引っ張る。まるで、ヒットして話を水増しするTVドラマやマンガみたいだ。でも、それが不快ではない。上手いのだ。『トランスフォーマー ロストエイジ』もこの映画を見習えばいい。長尺映画の本場インドは、鍛えられているから、3時間の使い方が上手い。ハリウッドは今はそんな映画を作らないから、(しかも娯楽映画で)たまにすれば、ああいうことになる。
まるで、この映画の話にはならない。どこから書けばいいのか、あまりに膨大すぎて、手がつけられないのだ。
ラストの、「そこまでやるか!」のどんでん返しには、呆れてものも言えない。あそこまでしなくてはインドの観客は納得しないのかと驚いた。田舎の小学校の先生として、みんなから慕われる。それだけで、充分に幸せだと、日本人である僕なんかは考えてしまう。でも、インド人はそうではないようだ。
典型的なパターンの応酬から話はどんどん進んでいく。当然派手なミュージカルになり、ダンスシーンもある。権威主義の大学の学長と彼ら3バカトリオのバトルが延々と描かれる。手を変え品を変え、あの手この手が楽しい。ここまでやるか、と思う。
みんなの幸せを望む。自分のことなんか後回しだ。でも、それが善意の押し売りにはならない。彼は心から望んでそうしている。嘘くさい奴、スレスレ。
10年後から始まって、14年前、大学に入学するところから卒業までの4年間のドラマを描く。今と、あの頃を交錯させて、再会までの破天荒なドラマが延々と描かれていく。スクリーンからは一時も目が離せない。信じれば叶う。きっと、うまくいく、というタイトルはそういうことを訴える。そんな簡単なことではないのだよ、とはこの映画は言わさない。 植木等のように調子よく、軽薄そうに生きるのではない。トム・ハンクス似の主人公はどちらかというと誠実な感じだ。それだけにこんなにも調子よくいけるはずはないのに、なんだか納得させられる。
大切なもの。大丈夫だと自分を信じる心。どんな逆境にあろうとも。そうして立ち向かっていく。そうすることで道は出来る。そんな簡単なことをちゃんと教えてくれる映画だ。この一見バカバカしい筋立ての中にある真実に心洗われる。