初めて見たスラステの舞台は、とても楽しくてアッという間の1時間だった。まぁ、たった1時間だから短く感じるのではなく実際に短いのだけど。さらっとしていて、飽きささない、というか、飽きるほど長くはないのだけど。要するに、とても上手な1時間ということなのだ。
ふたり芝居。ふたりの掛け合いだけで見せる。基本、装置もいらない。彼女たちがそこにいるだけでいい。中村なる美×永津真奈。作、演出は虚空旅団の高橋恵。高橋さんが肩の力を抜いてさらりと作った中編作品。コモンカフェという小空間に合わせて、ここでするのにちょうどいい作品。これはその軽やかさが身上。ふたりの女性がそこにいて、彼女たちの時間がそのまま切り取られる。それがなんだかとても気持ちいい。
仲のいい友人同士がもたれあって目の前の事態に向き合う。とんでもないことを受け入れ、考え、そして、答えを出す。いいよ、というところから始めて、話を聞くうちにいろんなことが見えてきて、ふたりでたどり着く答えは気持ちがいい。
プロローグの交通調査員のエピソードと本編のお話。2つのエピソードからなる1時間ほどの小さな作品であるが、これはそれだからこそ見せることのできる世界だ。2人のことばのキャッチボールは絶妙で小気味いい。