今回阪本先生と仰星演劇が挑むのは野田秀樹の傑作戯曲。仰星としては5年振り2度目の公演になる。2時間の長尺をたった7人のキャストで挑む。今さら内容で触れることはない。
ラストの圧倒的な美しさ。それに尽きる。この芝居はここに至るための2時間だったのだ、と改めて思う。まさに阪本さんらしい引っ張り方。圧巻だ。阪本先生の期待に兄を演じた田中紗世が見事に応える。間の取り方も完璧。さらなる高みを目指す阪本作品完成形としての『赤鬼』をここに提示した。高校演劇でできること。大きなテーマと向き合い、完璧に演じ切る。そんな課題をクリアした。演出は中谷海良。サポートした男優ふたりのOBもいい。
余談だが、見た後に自分が書いた5年前の作品の感想を読んだが、今回感じたこととまるで同じようなことを自分が書いていて、笑えた。