最近見て、ここには書いていない10本の映画
『美女と野獣』
公開から2ヶ月近く経つのに、まだ大ヒット中のディズニー映画をようやく見た。オリジナルのアニメ映画はあまり好きではない。数年前にはフランス映画でも見た。(これは、なかなか、よかった)そんなこんなで、今回、満を持してのディズニーによる実写映画化だ。2時間10分の大作になった。さすがディズニーだ。夢のある楽しい映画になった。ミュージカルで、派手なアクションもあるし、ロマンスも納得の子供から大人まで楽しめる作品。
『光をくれた人』
とても美しい映画で、風景が圧倒的に素晴らしい。そこで展開するオーソドックスなラブストーリーが丁寧に描かれてはいる。しかし、お話自体が、あまりに大時代的で、ストーリー以上のものが伝わってこない。主人公である夫婦の子供を巡るドラマが、人間にとって、何なのか、という大きな問題へとつながっていかないので、ただの悲恋ものにしかならない。唐突なラストも感動にはつながらない。
『ゴールド 金塊の行方』
お金を巡るお話は、誰にでも心当たりにあることなので、感情移入しやすいはず。(でも、ないかぁ)とはいえ、これはゴールド(金)を掘り当てようとする山師の話で、ふつうの人の話ではない。一攫千金の野望の辿る末路なんて、僕たち庶民にはどうでもいいことで、あまり興味は湧かない。ラストのどんでん返しも、「あっ、そう」程度。
『ローガン』
『Xメン』シリーズから派生したウルヴァリン・シリーズ最終章なのだが、とてもストイックな映画で、アメコミの映画化とは思えない渋さ。あまり起伏のない映画で、しかも2時間18分と長い映画なのに、ラストまで全く飽きさせない。ヒュー・ジャックマンが、めっちゃ、かっこいい。孤独な少女と、かつての輝きを失った男のロードムービー。
『帝一の國』
このバカバカしいコメディを2時間、ラストまで引っ張っていけたのは、菅田将暉の存在感あってのことだろう。彼がクールにあんなバカをしているから、おふざけ映画にはならない。シリアスに生徒会長を目指し、その先には総理大臣の座を視野に入れる。どんなバカでもやり抜く。マンガみたいなキャラクターたち(というか、これはマンガの映画化ですが)とビシバシ渡り合いながら、夢を実現していく姿は感動的。
『ちょっと今から仕事やめてくる』
とても暗い映画だ。生きているのがつらくなる。でも、そこがこの作品のねらいで、それがあるからその先にある「仕事をやめる」という選択が生きてくる。謎の男ヤマモトとの交流を通して、本当の自分の目覚めていく、というわかりやすいストーリーで、最後までしっかりと引っ張っていく。原作のイメージ通りの映画化で、とりあえずは満足できるが、監督が成島出なので、もう少しさらにその先を期待してしまった。
『クレヨンしんちゃん 襲来!宇宙人シリリ』
今回もとてもよかった。しんちゃん版『E・T』なのだが、単純なパロディでは断じてない。しんちゃんがシリリ(宇宙人)とともに日本列島を埼玉から種子島まで旅するロードムービー。なのだが、途中の静岡で止まってしまう。なかなか先には進まない。なんで、静岡なんだよ、と突っ込みを入れたくなるところだけど、とくに意味は無い、というのも、しんちゃんらしくていい。旅は目的地を目指すことが大事なのではなく、旅すること自体に意味があるのだ、なんて、思わされる。(まぁ、この映画には、そんな気はさらさら無いのだけど。)宇宙人も地球人もしんちゃんには関係ない。彼のスタンスがあまりにピュアだから、そこからなんか、いろんなことを考えさせられるそんな映画なのである。
『たらら侍』
こんな地味な映画が東宝系を中心にして拡大公開される。EXILEの力なのだろうが、それでも劇場には全く人が入ってない。だから、すぐに上映は終わる。とても丁寧にお金もかけて作られた良心的な作品なのに、もったいない。これはちょっとした大作時代劇なのだ。なのに、商売を度外視した作品。でも、何をしたかったのか、いまいち、よくわからない「とんでも」映画。
『ガーディアン・オブ・ギャラクシー リミックス』
シリーズ第2作。前作を凌ぐ迫力。こんなにもパワーUPしているのだが、もうこの手の映画は食傷気味。派手になればなるだけ、単調になってしまうのが残念。いろいろ細かいところまで考えて作ってあるのに、もったいない。見ながら凄いぞ、凄いぞ、と言いつつ、気付くと居眠りしてしまう、って何? おもしろいのに、そうなる。それにしても、スタローンはなんのために呼ばれたのだろうか。あんな小さな役なのに。
『ワイルドスピード ICE BREAK』
シリーズを重ねるたびにどんどんド派手になっていく。なんとこれで⒏作目。街頭でのスピードレースの話だったのに、気付くと、全世界を股にかけた「ヒーローもの」になっている。もう何が何だ、の世界。監督は『交渉人』『ストレイト・アウタ・コンプトン』のF・ゲイリー・グレイ。なのに、こんなノーテンキなアクション・ヒーローものになってしまった。もう何が何だか。
PS 実は、あと数本、まだ見てるけど、キリがないので、このへんにする。