『ルオマの初恋』のチアン・チアルイ監督の新作。前作にひき続いて雲南を舞台にした作品だが前作とは全くタッチが違うのに驚く。今回はコメディータッチで雲南の風習である帰家を描く。雲南では結婚した男女は3年間同居しないで別々に暮らす。その間接触も禁止だ。せっかく結婚したのに酷な話だが、そうすることでお互いの愛情を確かめ合うのだろうか。
本編の主人公のおてんば娘は、そんな風習がお気に召さない。彼女は婚礼の夜お酒を浴びるように飲んで、彼の眠る部屋に行き、自分もそのまま寝てしまう。朝になり彼の家族がふたりが折り重なったまま寝ているのを発見して大騒ぎ。一事が万事この調子だ。ちょっと困った女の子と、そんな彼女に振り回される男の子の物語が雲南の美しい風景を背景に描かれる。
あまりにタッチが軽すぎて見ていて微笑ましいがとても現代の映画とは思えない。前作でシリアスタッチで雲南の現状と、少女の切ない恋心を繊細なタッチで描いたチアン監督が今回はここまでノーテンキな映画に仕立てたのはなぜだろうか。おおらかで牧歌的で悪い映画ではないのだが、なんだか物足りない。『猟奇的な彼女』並にとんでもない彼女が、(でも飛び切りキュートだ)彼に構ってもらおうと奮闘するさまは涙ぐましいし、かわいいのだが、それだけでは映画として感心しない。
本編の主人公のおてんば娘は、そんな風習がお気に召さない。彼女は婚礼の夜お酒を浴びるように飲んで、彼の眠る部屋に行き、自分もそのまま寝てしまう。朝になり彼の家族がふたりが折り重なったまま寝ているのを発見して大騒ぎ。一事が万事この調子だ。ちょっと困った女の子と、そんな彼女に振り回される男の子の物語が雲南の美しい風景を背景に描かれる。
あまりにタッチが軽すぎて見ていて微笑ましいがとても現代の映画とは思えない。前作でシリアスタッチで雲南の現状と、少女の切ない恋心を繊細なタッチで描いたチアン監督が今回はここまでノーテンキな映画に仕立てたのはなぜだろうか。おおらかで牧歌的で悪い映画ではないのだが、なんだか物足りない。『猟奇的な彼女』並にとんでもない彼女が、(でも飛び切りキュートだ)彼に構ってもらおうと奮闘するさまは涙ぐましいし、かわいいのだが、それだけでは映画として感心しない。