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映画・演劇のレビュー

『みんな! エスパーだよ!』

2015-08-27 20:18:41 | 映画
ありえんわ、と思った。深夜のTVシリーズでオンエアされた時、毎回見ていた。園子温がTVドラマを撮るという快挙に興味を抱き、見たのだが、バカバカしいにもほどがある。こんなアホなドラマをよくもまぁ、TVで流すよなぁ、と感心した。くだらない、としか言いようがない。と、思いつつも、なんだか癖になり、最後まで見てしまった。

幼稚で低能。でも本気で、ひたむき。テレることなく、全力投球が眩しい。

ただ、園子温が監督したエピソードと、他の監督が演出したエピソードとの落差が激しすぎて、(悪いけど、園子温以外はつまらない、ということだ。)全体のバランスは著しく悪い。

そんなドラマがなんと劇場用映画としてリメイクされた。しかも、キャストはほぼそのままで、である。よくあるTVの続編ではない。新作だけど、リメイクである。長編劇映画として作り変える。でも、ロケ先も同じだし、パワーアップしたのは、エロではなく、くだらなさ。どこまでも、バカバカしくくだらないのだ。こんなもの、誰が見るのだろうか。思わずそう思うほど、くだらない。(くどいけど、)

お話について語ることはない。無意味な超能力を身に付けたエスパーたちが、世界を救う話らしい。凄い敵が現れて、地球制服を企む、とか、そんなのではない。名古屋の田舎を舞台にして、地方都市の鬱屈した少年少女のエロ妄想が炸裂する。

染谷将太演じる高校生が主人公。彼の性的妄想ワールドのお話。このお話のすべてがそこに尽きる。こういうバカげた夢を見るのが思春期なのだろう。もちろん夜中の夢です。無意識でこんな夢を見たら目覚めた後、テレるやろうな。恥ずかしいなぁ、と思う。でも、誰も知らない自分の世界だし、夢見てるときには、結構心地よいはず。エロエロ・パワー全開。健全な青少年の妄想だと思う。下着や、水着、パンチラ。そればっか。エッチなのだが、いやらしくはない。女の子はみんなミニスカートで、パンツが見える。そんなことだけで、それがすべてのバカな映画ってこの世界にいまだかってなかったはずだ。まぁ、そんなこと自慢にはならんけど。

『ラブ&ピース』も大概な妄想映画だったが、このバカバカしさには及ばない。2時間近くもこんな映画を見続けたら、頭はアホになる。

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