怒濤の3時間16分。この映画を見ること、って、けっこう勇気がいる。映画館ならまだ大丈夫だけど、家でDVDで見るには、この長さはきつい。だが、始まったら、スクリーン(ブラウン管だが)から目が離せない。こんな地味な映画なのに。凄いことだ。
4人の老人が出てくる。彼らの出番は10分、20分、3人目が坂田利夫で30分。メインは津川雅彦。この話が70分。介護の問題を扱う。でも、シリアスというよりもこれはちょっとしたファンタジー映画。主人公の押しかけヘルパーを演じる安藤サクラがまるでコメットさんみたい。魔法は使わないけど、ちょっとしたスーパーガール。えっ、ありえない、という感じで老人たちに取り入る。そして彼らを助ける。
冒頭のエピソードからして、衝撃的。老人と寝てくれと娘から頼まれる。下の世話もしているけど、一晩を共にして欲しいと言われるなんて、想定外。セックスをして、というわけではないけど、やはりそれはないわぁ、と思う。このオープニングのエピソード(これが10分くらいか)仕事を首になって、ふらふらするところから本格的に話は始まる。
昨年の映画賞を総なめにした作品なのだが、単純なハートウォーミングではない。老人たちは彼女と出会い、確かに幸せになる。でも、彼女は幸せではない。生きていくために老人を喰い物にしているわけではないけど、なんか、あまりすっきりしない。
最後の柄本明のお話も取ってつけたような感じで納得しない。あれなら津川と別れたところで終わっていてもよかったのではないか。お話の到達点にはなっていない。冒頭のエピソードの出てきたひきこもりの少年(実は女の子)と再会して彼女の家でお世話になる(彼女の祖父が柄本)のだが、この話の意図が見えない。
ロードムービースタイルで、さまよう彼女を通して何が描きたかったのか。よくわからない。だが、それでいい。「0・5ミリ」というタイトルからしてそうなのだ。何かを訴えかけるのではなく、いろんな可能性をそこに秘める。なんだかずるいけど、それもありかな、とも思う。
安藤桃子監督は前作『カケラ』でもこんな感じだった。決めつけるのではなく、なんとなくほんわりと包み込む。確かにわかりやすいテーマ設定はなされてあるけど、そこに収まりきらない。そんな映画を目指す。そんな枠からはみ出た部分が映画を不安定で魅力的にしている。
4人の老人が出てくる。彼らの出番は10分、20分、3人目が坂田利夫で30分。メインは津川雅彦。この話が70分。介護の問題を扱う。でも、シリアスというよりもこれはちょっとしたファンタジー映画。主人公の押しかけヘルパーを演じる安藤サクラがまるでコメットさんみたい。魔法は使わないけど、ちょっとしたスーパーガール。えっ、ありえない、という感じで老人たちに取り入る。そして彼らを助ける。
冒頭のエピソードからして、衝撃的。老人と寝てくれと娘から頼まれる。下の世話もしているけど、一晩を共にして欲しいと言われるなんて、想定外。セックスをして、というわけではないけど、やはりそれはないわぁ、と思う。このオープニングのエピソード(これが10分くらいか)仕事を首になって、ふらふらするところから本格的に話は始まる。
昨年の映画賞を総なめにした作品なのだが、単純なハートウォーミングではない。老人たちは彼女と出会い、確かに幸せになる。でも、彼女は幸せではない。生きていくために老人を喰い物にしているわけではないけど、なんか、あまりすっきりしない。
最後の柄本明のお話も取ってつけたような感じで納得しない。あれなら津川と別れたところで終わっていてもよかったのではないか。お話の到達点にはなっていない。冒頭のエピソードの出てきたひきこもりの少年(実は女の子)と再会して彼女の家でお世話になる(彼女の祖父が柄本)のだが、この話の意図が見えない。
ロードムービースタイルで、さまよう彼女を通して何が描きたかったのか。よくわからない。だが、それでいい。「0・5ミリ」というタイトルからしてそうなのだ。何かを訴えかけるのではなく、いろんな可能性をそこに秘める。なんだかずるいけど、それもありかな、とも思う。
安藤桃子監督は前作『カケラ』でもこんな感じだった。決めつけるのではなく、なんとなくほんわりと包み込む。確かにわかりやすいテーマ設定はなされてあるけど、そこに収まりきらない。そんな映画を目指す。そんな枠からはみ出た部分が映画を不安定で魅力的にしている。