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映画・演劇のレビュー

『ビフォア・アイ・フォール』

2022-01-09 11:01:18 | 映画

繰り返される1日。目覚めるとまた、同じ日が始まる。あの日は特別な日になるはずだった。でも、事故死してしまう。そんな日の朝、起きたときから、死ぬまでが描かれる。しかも何度となく。

この日に死ぬとわかっていたら、その1日をどうするか。なぜか、やり直しは可能だ。(もう何度となくやり直している。)でも、結果を変えることはできない。なぜかこのパターンの映画を最近よく見ているから、またこれか、と思った。この映画自身がデジャ・ヴュかと思った。(というか、また間違って以前見た同じ映画をまた見てるのか、と最初は思った。でも、初めてだったけど)

高校生の女の子。なかよし4人組。今日の夜、大好きな彼と初めてのセックスをする予定。友だちにもちゃんとそれを伝えている。大事な1日になるはずだった。なのに、何かが狂ってしまう。そして事故死する。どうするべきだったのかを、繰り返しの中で捜し出すというお話。

映画のラストのあっけなさに少し驚く。ハッピーエンドだけど、こんなハッピーエンドってありか、と思う。従来のパターンなら、もっとすっきりした終わり方になるはずだ。それは安易だけど。でも、この映画はそうじゃない。これを書くとネタバレになるけど、書く。(だから、読みたくない人はこの先は読まないでね)

この映画のラストで、彼女をさらりと、ちゃんと、死なせるのだ。めでたく彼女は死にました、という終わりなのである。いや、いや、それめでたくないでしょ、とも思う。だけど、事実は映画だからといって捻じ曲げられません、とでもいうかのように、無事心残りをなくして死んでいく。でも、いいのか、こんな終わり方でとも思う。こんな映画がありなのか、と思った。まぁ、いろんな映画があるし、小さな映画だし、(だから日本では劇場でも公開されないけど、)まぁ、いいかぁ、とも思う。それにしてもなんだか不思議な気分だ。


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