配信が凄いことになっている。この前劇場で公開されたばかりの映画がどんどん配信されていく。もう劇場で映画を見る人は一部のマニアだけなのか。映画館は好き物だけの道楽なのか。タダに近い料金で、お家やスマホですぐ見れるものをわざわざ高いお金を払って見に行くって、贅沢なのか。
10月の劇場公開時、上映終了間近でもう1日1回上映になっていた時、見に行く予定を立てたけど、さすがにレイトショーは . . . 本文を読む
とても不思議な感触の短編集。タイトル通り,最初の一編はもうひとりのわたしに会いたいと思う女の子の話。ドッペルゲンガーに会うと死んでしまうというけど、すぐそこまでわたしが来ているのなら会いたい。ここから始まる。全部で8つの短編集だが、いずれもタイトル通り「わたし」と出会う話になっている。私の中にいる「あなた」に語りかけるふたつ目まではよかったけど、3話の陰毛脱毛からだんだんついていけなくなった。生々 . . . 本文を読む
これは演劇公演ではないけど、まるで1本の芝居を見た気分になった。バカバカしいけど,なんだかリアル。『カプリコン1』を思わせる設定だが、それをシリアスではなく、こんな冗談にして見せてくれる。しかも展示って。選ばれた宇宙飛行士たちの経歴。模型と文章が楽しい。展示だけど、ここにはドラマがある。
「1969年に日本宇宙飛行士チームが存在していた世界」を表現した展示会。写真と文章はもちろん . . . 本文を読む
現役学生劇団の芝居を見るのは久しぶりだ。今ウイングカップで若手劇団の芝居を続けて見ているから、参考のために他の若い集団も見てみようと思い、手元にあったチラシから日程が遭ったこの作品を見ることにした。中屋敷法仁のこの作品に感動したという横山イッタが演出、主演。(横山が出るAプロを見た)
最初の開演前の前セツ(もう始まっているけど)から緊張が続く。(それは台本の指示通りみたいで、あそこか . . . 本文を読む
この芝居を最後にしてT −6は劇場を閉める。だからこれがT-6(テシス、というより音太小屋のほうが)のファイナルステージになる。邂逅には珍しい普通の会話劇だ。ファンタジーでも、時代劇でもない。今から20年後の現代、だけどSFではない。そこでの日常生活を描く。とはいえ舞台は非日常の空港だけど。なんとこれをクリスマスイヴに見ることに。しかもこれが今年僕のラストの芝居となる。まぁたまたまだけど。それにし . . . 本文を読む
これは矢内原美邦が描く現代版「ゴドーを待ちながら」だ。彼らはここで待ち続ける。だが船は来ない。女はたったひとりで海を見ながら待つ。何が来るのか。それすら明確ではない。囲み舞台でセットはない。空っぽの空間で芝居が始まる。
曖昧なものを、よくわからないまま描き、芝居は進んでいく。彼女は何を待つのか、何をしようとするのか。やがてひとりの男(確か、ボボと呼ばれる)が来る。だが彼は呼びかけても全く反応して . . . 本文を読む
コロナ禍の迫真のドキュメント『臨床の砦』を経て、再びいつものフィールドに戻ってきた夏川草介らしい一編。『神様のカルテ』から繋がるいつものスタンスで医療現場を描く好編だ。読んでいて幸せな気分にさせられる。それにしても医者は凄いな、と改めて思う。僕は医者ではないけど、40年教師をしてさまざまな子どもたちを見てきた。医者や警察のお世話になることもたまにあったけど、(僕が、ではなく生徒が、ね)基本は穏やか . . . 本文を読む
映画自体とはまるで関係ないけど書かずにはいられない。この映画を大阪弁護士会館の企画イベント(「離婚後の共同親権導入について考える」映画とシンポジウム)として見たのだが、あまりに杜撰な上映のされ方に呆れ果てた。途中でクレームをつけるために席を立とうとしたがしばらく我慢して見た。前半はまだ明るいシーンが多くて耐えられたからだ。だが後半ナイトシーンが多くて、しかもクライマックスの緊張感のある暗闇での長回 . . . 本文を読む
まさかの4ヴァージョン、しかも主役の山田蟲男以外は重ならない。26名の4パターンである。キャストだけで101名。よくもまぁこれだけの役者が集まった(集めた)ものだ。そしてよくもまぁ短期間でこれだけの芝居を作り上げたものだ。前回の1ヶ月2本立てロングラン(10月)からわずか2ヶ月でこの大作を仕上げたサリngROCKに感服する。交通整理だけでも大変だったはず。今年は映画(『バッドランズ』)の公開もあり . . . 本文を読む
なぜか突然に封切直前で公開がなくなった。理由はわからない。もしかして関西では見れないのか、と心配した。だが、ようやく大阪でも22日から東京より1週間遅れて上映がスタート。初日に見に行くことにした。モノクロで2時間49分の長尺映画である。普通ない。しかもミニシアターではなくTOHOシネマズでの公開。『パラダイス・ネクスト』の半野喜弘が監督・脚本・原案・音楽を手掛けた。主演は眞栄田郷敦。普通じゃない何 . . . 本文を読む
最近スカスカ(内容ではなく、改行が多かったり、余白があるということだ)の小説は結構目にするけど、2段組の小説は近頃では珍しい。それで350ページという分量。微妙な長さだ。普通なら2冊にした方がいいだろうが敢えて1冊にした。2部作構成で完全に前半,後半になっているにも関わらず。ヤングケアラーを主人公にした重くて暗い話である。2010年10月から始まる。17歳だった小羽。彼女は宮城県のある港町で暮らし . . . 本文を読む
先日TVで放映されていた『メアリと魔女の花』のスタジオポノックの第2作。監督は今回は百瀬義行。「ポノックはジブリの後を継ぐアニメスタジオだ!」という事を証明する傑作になればいい、という期待に胸を膨らませて見に行く。結果そういうのはよくないな、と思った。要らぬ先入観は作品を歪める。これは『メアリと魔女の花』以上に宮﨑駿や高畑勲とはまるで違う百瀬さんの映画だ。全体のタッチは軽い。悲壮感はない。イマジナ . . . 本文を読む
年末恒例の(?)Netflix発の大作映画だ。だが今回の作品はいささかタッチが違う。2時間22分、静かだけどずっと緊張が持続する。よくあるこの手の終末映画(シャマランの得意な)とは一線を画す展開なのである。大作映画なのに小さな世界で閉ざす。何も起きない。しかし何かが起きている。それが何なのかわからないまま、不安な週末を過ごす4人家族と訪問者である2人(別荘オーナーのマハーシャハラ・アリとその娘)だ . . . 本文を読む
こんなバカバカしい映画が公開されていた。なんと劇場でも。2021年のフランス映画。特集上映でひっそり日本でも。(シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2022)
今Netflixで配信されていてなんとなく暇つぶしにと飛行機の中で見始めた。飛行時間が90分だったから90分以内の映画でなくてはならないし、機内が多少うるさくても大丈夫な当たり障りのない外国映画がいいだろう . . . 本文を読む
久しぶりに沖縄に来た。コロナ前の2019年、最後の修学旅行付き合いで来て以来だ。10回目の担任で、修学旅行としては初めての沖縄だった。意識的に旅行先を選んだのはこれが2度目となる。前回は東北だった。被災地に高校生を連れて行くことを目標にした。保護者からクレームや不安もあったけど、決行した。いい旅だったと自負している。あの時期まだまだ生々しい三陸に行くことは彼らにとって大切な意味のあることだと思った . . . 本文を読む