『翼の王国』連載のエッセイ集の最終巻。15年続いたらしい。お疲れさまでした。僕はANAに乗ることはあまりないけど、たまたま乗ったANAの機内誌でこのエッセイを見つけて喜んでしまったことを憶えている。「吉田修一だよ」と。それは旅するスタートにふさわしい気持ちいいエッセイだった。
あれから10年以上経つ。あれはどこに行ったときのことだったのだろう。そんなこと覚えているわけはないけど、あれ . . . 本文を読む
配信が凄いことになっている。この前劇場で公開されたばかりの映画がどんどん配信されていく。もう劇場で映画を見る人は一部のマニアだけなのか。映画館は好き物だけの道楽なのか。タダに近い料金で、お家やスマホですぐ見れるものをわざわざ高いお金を払って見に行くって、贅沢なのか。
10月の劇場公開時、上映終了間近でもう1日1回上映になっていた時、見に行く予定を立てたけど、さすがにレイトショーは . . . 本文を読む
とても不思議な感触の短編集。タイトル通り,最初の一編はもうひとりのわたしに会いたいと思う女の子の話。ドッペルゲンガーに会うと死んでしまうというけど、すぐそこまでわたしが来ているのなら会いたい。ここから始まる。全部で8つの短編集だが、いずれもタイトル通り「わたし」と出会う話になっている。私の中にいる「あなた」に語りかけるふたつ目まではよかったけど、3話の陰毛脱毛からだんだんついていけなくなった。生々 . . . 本文を読む