デュラン・デュラン「セヴン・アンド・ザ・ラッグド・タイガー」


 若い頃を80年代に過ごしたので、たまに無性に80年代のロック、ポップスが聴きたくなります。誰が何といおうと私にとっては80年代の音楽が全ての時代を通じて最高の音楽です。60年代のビートルズ、70年代のレッド・ツエッペリン、90年代のニルヴァーナなどの時代を象徴する大物の時代ではないですが、80年代に登場した音楽の全てが素晴らしいと思います。メロディ、アレンジ、ボーカル、ギター、ドラムの音などなど全てが80年代で絶頂期を迎えた後、衰退の一途を辿っています、と贔屓倒しておきたいと思います。

 FENのケイシー・ケーサムのアメリカントップ40、小林克也のベストヒットUSAなどで常にヒット音楽をチェックしました。80年代の音楽で、毎週のトップ20に入った音楽で聴いていない音楽はおそらくないと思います。

 誇張なしに80年代の音楽は全てがよいのですが、たまに聴かないと禁断症状が表れる特別クラスとなると、一つはワム、ジョージ・マイケルです。ノー天気でシンプルなファッションと振る舞い、だけど曲作り、歌唱は天才、このギャップには本当に痺れました。本日のブログで取り上げるCDもジョージ・マイケルの「フェイス」にしようか迷いました。

 ただ、その後のジョージ・マイケルは才能を無駄遣いしています。ストーンズやAC/DCなど長くヒットを飛ばし続けるミュージシャンに共通しているのはよいプロデューサーを選ぶということです。必ず自分達に合った売れっ子プロデューサー、エンジニアを起用します。これは他人の才能への信頼というか謙虚さの表れだと思います。ところが、失敗するミュージシャンは自分でプロデュースをやりだします。大物も1~2回はこの過ちを犯します。ただ、だいたい興行的に失敗するので本来の謙虚さを思い出して方向修正します。ところが大失敗作を作ってもまた同じ過ちを続ける大バカ者がたまにいます。代表例がジョージ・マイケルです。神が与えた才能をワンパターンのアレンジや他人の歌のカラオケで無駄遣いしてほしくないです。何か行事があるとホモ友達のエルトン・ジョンと報道陣の前に顔を出しますがそんな芸能人生活を送ることで満足しないでほしいです。

 前置き(大好きなジョージ・マイケルへの怒り)が長くなりましたが、もう一つ禁断症状が起こるのがデュラン・デュランです。「セヴン・アンド・ザ・ラッグド・タイガー」は世界中で大ヒットした第3作目です。当時のミュージシャンが力を入れて作り出したミュージッククリップを含めて何度も耳にして、何度もテレビで見ました。最近聴くのはベスト盤「ディケイド」の方が多いですが、中核をなしているのはこのセブンタイガーからのものです。ディケイドには14曲入っていますが、1曲目から10曲目まで、つまり、「プラネット・アース」、「ガールズ・オン・フィルム」、「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」、「リオ」、「セイヴ・ア・プレイヤー」、「プリーズ・テル・ミー・ナウ」、「ユニオン・オブ・ザ・スネイク」、「ザ・リフレックス」、「ワイルド・ボーイズ」、「007/美しき獲物たち」にもう言葉はいらないです(「ニュー・ムーン・オン・ザ・マンデイ」が入っていないのが残念ですが)。これだけの音楽を作ったミュージシャンがどれだけいたでしょうか。
 最近、活動を再開したようですが機会があればライブを観てみたいです。

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