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休日はソファの上でリラックス!
ジンマン/チューリッヒ・トーンハレ管「マーラー 交響曲全集」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b9/7a1046ffadad1482b6aa30c5f8324f8e.jpg)
連休なので何か一枚ということでいつもの横浜モアーズのタワーレコードです。ドアーズの「LAウーマン」とクライバーのブラームス4番のSACDかとイメージしていたのですが、クライバーは見つかりませんでした。
その替わりというかジンマンのマーラー交響曲全集のボックスが積まれていました。長らく録音されてきたこのシリーズについて音響、演奏で評判いいのは読んでいたのですが、もうマーラーは聴き切れないくらいに持っているしということで特に追ってきませんでした。
ところが、交響曲1番から10番まで全15枚すべてSACDなのに8500円!これは安い。1枚570円です。こんなに安いSACDは初めてです。思い切って購入しました。連休だし久しぶりにマーラーをじっくり聴けます。しかし!?帰宅してネットで調べるとタワーレコード、HMVともにネット購入だとさらに安く7200円。ネットの方がここまで安い理由は分かりませんがこれは仕方ありません。
2006年に第1番からスタートして2010年の第10番まで。第1番から順番に聴いていきます。
評判どおり録音がすごくよく、演奏も純音楽的な非常に充実した演奏です。特に第2番、第3番、第8番など大編成のオケ、声楽付きで構成も大掛かりな曲の演奏ではこれまで聴かれなかった遠近感、奥行き、最強音と最弱音のレンジの大きさが際立ちます。いろんな方向から音が響いてきて、めくるめく音の饗宴です。ティンパニの弱音などもはっきり捉えられていて、ここでこんな楽器がなっているんだという驚きがいろんな箇所であります。金管と弦が弱音で合奏するところなどはぞくぞくします。
それ以外の交響曲でも思い切りよく鳴らすところは鳴らして、弱いところは思いっ切り弱い、それでもその音を優秀な録音がしっかり捉えます。音圧が凄い。印象としてはアバドとベルリンフィルの演奏・録音に近いものがあります。アバドは世界最高のベルリンフィルとはいえライブレコーディング、こちらは用意周到の録音なのでオケは少し落ちるのかもしれませんが全く遜色ありません。ショルティのリングのような録音芸術作品であることを感じました。
ジンマンは「バーンスタイン等の解釈は主観的で、私のマーラー観とは異なる」と言っているそうです。これまでよく聴いてきた演奏との違いはアダージョなどの緩楽章によく表れます。主観的な演奏と比較するとさっぱりしています。バーンスタイン、シノーポリなどの演奏からはいろんな情念、天上、死後の世界など別世界の音楽が聴こえてきましたが、このジンマンの演奏は旋律の美しさに聴き惚れますが、何かテーマが向こうからは聴こえてきません。まさに純音楽的なアプローチです。
どっちがいいのかという問いにはすぐには答えられませんが大満足の15枚です。ワルター、クレンペラー、バーンスタイン、クーベリック、テンシュテット、カラヤン、シノーポリ、ラトルなどの名演に並ぶ演奏・録音といえます。8500円なら(7200円なら尚更)、コストパフォーマンスでは最高といえると思います。
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